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量販店の採算は?

近年、職人さんの減少・金物支給率増加・ネットや量販店の進出により、
地域の金物店や道具屋が苦しんでいます。
当店は、オリジナル商品や修理のウエイトが大きいので、他の同業者ほど深刻ではないと思っておりますが
仕入れ先は、かなり状況が悪いようである。
現在は水道資材卸・板金問屋。セメント建材・塗料卸・瓦製造など
本来ならそれぞれの職人さんの棟梁に卸していた商品が売れず、
職人さんを無視して直接ゼネコンに営業に回り、注文を取って工事を職人さんにお願いしている。
仕事のある棟梁なら不服だとは思いますが、背に腹は代えられず、仕入れ先から仕事を頂いている現状があります。


ところで、3つ目のネットや量販店ですが
ネットショップは数%の業者しか採算が合わないと言われており
簡単に利益の出る市場ではありません。
安く売るのは、原価が安いからでもコストが掛かっていないからでもありません。
その価格にしないと売れないと言う単純な理由です。


量販店は、ネットショップよりも若干高めの価格設定になっているようですが
ネットショップよりも経費率が異様に高いために相当売らないと採算が取れません。
広い敷地に大きな店舗を構え、時間も長く休みがありませんから、
単純計算で常駐店員の3倍は人を雇わないと営むことができません。
経費込みで一人2万円/日の店員さんが5人常駐なら2万x3交替x5人=30万円/日
これは人件費だけの話。そのほかの経費も考えれば1時間あたり5万円くらいの経費が掛かっているでしょう。
釘や電動工具などは、ほとんど利益がありませんから、ほとんどの量販店は採算が合っていないような気がします。


それでも、量販店は増えています。
なぜか?自分なりの考えとしては市場づくりの戦略としか思えません。
量販店は、ほぼ母体組織をもっているネットワークであり、プロショップがダメならいつでも手を引くだけでしょう。


以前から日本はおかしいと言われてきました。
欧米では、工具はほとんど量販店が販売しています。
日本は職人さんの使う電動工具の始まりがマキタの進出から始まっています。
電動工具を始める以前のマキタは下請け専門のモーターメーカー。
販売網は一切ありませんでした。
電気カンナを発売するにあたり、販売網が無かったため、手鉋の問屋の紹介により
問屋のすべてが鉋問屋でスタートしました。
そのため販売店もすべて手鉋を販売する店舗でした。
これが日本と諸外国の違いとなっています。
どちらのスタイルが正しいか?私には分かりませんが、決めるのはあくまでも消費者になります。
私どもは、いかに消費者に決めていただけるように努力をしなければいけないでしょう。
本日からでもできることからコツコツとやらせていただきます。