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勘考一人(かんこういちにん)

今週のあるなしクイズ、まだ回答者が現れませんので、ここでヒント!
ある漢字に共通する”あるもの”を付けると何かになります。「大工道具屋のひとりごと」ですから・・・
ヒントはここまでです。


さて、本日の記事の書き込みに入りたいと思います。
本日のタイトルの言葉、地元で聞く言葉なんですが、皆さん御存知でしょうか?
日本語の共通語なのか、この地区の特有の言葉なのか分かりませんが、
意味は「手を止めて勘考することも手間の無駄を省くので、立派な手間代(一人工)に値する」という意味で使っています。
一日いくらの職人さんが無駄にバタバタ動いたとしても、モノが出来ないと手間代の価値を成しません。
母方の祖父が農業をしていましたが、母は自分の父親のことを
「父は田んぼに出ると、すぐにタバコを吸いながら腕組みしていたけど、とにかく農作業が早かった。あれは、いつも何かを考えていたんだろう。」
このいわゆる”一服”が「勘考一人」だったんでしょう。
しかし、これがお施主様のいない所ならいいですが、お施主様が見えるとそうはいきません。
特にリフォームで壁や床を外した時に、想定外のことが起こったら、
ここは当然「勘考一人」の出番のはずですが、あまりだらだらと腕組みしているわけにはいきません。
お施主さんが見ています。
見ていなくても音は聞こえます。
”一日いくら”で雇われている職人さんは特に気を使わないといけません。
ですから、リフォームでは想定の範囲を相当大きくしておかないといけませんね。
逆にリフォームで仕事中、お施主様にじっといつまででも見られっぱなしも大変ですね。
ある大工さんが
「今日は改造工事だったんだけど、離れの窓越しから一日中その家のおばあさんが仕事を見ていたんだよ。何か視線を感じるなと思って離れを見ると窓越しにおばあさんが。しばらくして、もういないだろうと離れを見るとやっぱりおばあさん。ひょっとして見てるかなと確認してもおばあさん。こんな現場は嫌です。」
と、嘆いていました。
気持ちは分かります。私がお客様の持ち込み修理をしている時に傍らでずーっと見ている所有者であるお客様。
別に技術が企業秘密ではないですが、興味深い人は、私の修理中に前触れもなく、私の顔と機械の間に首を突っ込んで来られる方がいます。
そのまま修理をすると危険なので、修理は中断します。
さすがに手を止めると気が付きますが、それくらいの人は修理中、修理用のソフトハンマーを振る範囲にいます。
これも危険ですので、
「すみません。見られているのはいいんですが、危険ですのでもう少し離れてください。」
と、お願いすると、やっぱり職人さんですね。見えないところまで下がってくれます。
これで、私も「勘考一人」が気楽に出来ます。


皆さんの地域でも、地域ならではの業界用語があったら、教えてください。
それではまた。
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