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相手の力量

昔から当店に長時間滞在していかれる方は、当店を仕事の不満のはけ口に利用している方も少なくありません。
親方は儲からない話をしたり、職人の不満や下請けの不満をタラタラと・・・・。
職人さんは、親方の愚痴を言ったり、監督の不満を言ったり・・・。
その中でも、日雇い大工さんが本当に聞いて欲しそうな内容で、一緒に働いている日雇い大工さん同士の不満です。
同じ賃金でも一緒に働いている他の大工さんが自分よりたくさん動いて綺麗な仕事をすれば、問題はないですが、
仕事が綺麗でも、手が遅いと
「一緒にやっているあの大工さんは、腕が良いから手を掛けなくてもいいところまで・・・・。」
逆に手が早いと、
「あの大工さんは、確かに仕事は早いけど・・・・。」
でも、日雇いのわけですから、親方が良いと思ってお願いしているわけです。
気になってしまう悪い所は気にせずに、自分より優れている所を見てあげて欲しいと思います。


ある元大工さんで建築業の社長さんから聞いた話です。
吉本新喜劇池乃めだかさんがこう言ってたんですよ。」
『自分の力量は7掛けで見ろ。相手も自分の力量を7掛けで見てくれれば、力関係が5分5分に見える。』
要するに自分の苦労している部分は自分自身には分かるが相手には全部見えない。
お互いに見えない苦労があるという意識があれば、自分は頑張っているのに相手は手を抜いているなんて思ったりしない。
と、言うことである。


また、周りの大工さんから「あの人はめちゃくちゃ動く!」と言われているH大工さん。
ある時、訊いてみました。
「H大工さんはみんなから良く動くって言われてますけど、何でそんなに動けるんですか?」
「ぼくは、手間受けの現場はマイペースで仕事するよ。でも、常庸(日雇い)で頼まれる時は、頂いた金額より絶対に動かないと申し訳ないと思って働かせて頂きます。それでないと、頼まれた方に申し訳ないから。」
まさにこれは職人の鑑ですね。
一緒に働く時には、職人同士、元請下請け関係、お施主様と棟梁、家族間であっても、常に相手の気持ちを思いやっていれば、
人間関係はうまく良くと思います。
自分のことを考えてくれない!とか、相手にしてくれない!とか、言われる人がいますが、
それは、その人自身が思いやりがないのかもしれません。
それではまた。
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