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バンドソーのお話その3

バンドソーの使用上の注意点
1.切断上部の安全カバーを必要以上に上げない。
安全カバーを上げ過ぎると刃が露出して危険なだけではなく、前日のセリと切断部分の距離が長くなるため挽き曲がりが起きやすくなります。
切断面が見える程度に安全カバーを下げてください。


2.高さの高い材料や硬い材料を挽く時
いわゆる負荷の大きい作業をするとき、刃の発熱量が大きくなります。刃先が熱くなると挽き曲がりがおきます。
チップソーの場合は刃が振れますが、バンドソーの刃は熱くなっても振れません。
 チップソーの場合
 帯鋸刃の場合
図のように、バンドソーの刃はチップソーとは違い振れずに刃先が外へ逃げるため、思うように挽けなくなります。
ですので、負荷の大きい作業をするときは、出来るだけ刃の切れる状態ものを使いましょう。
厚いものが切れなくても薄いものなら切れる場合もあります。刃物は出来るだけ有効に使いましょう。


3.刃の使い分け
バンドソーの刃には組アサリ・全刃ステライト・半刃ステライトの三種類があります。
 組アサリは刃先を交互に曲げてアサリを組んだものです。
ステライトは使っていませんので、刃持ちが良くないですが、価格は安くなります。また細帯はすべて組アサリです。
 全刃ステライトはアサリを組まずに刃の先端にステライトと呼ばれる硬い合金をつけたものです。
そのため刃持ちが良いんですが研磨をすると3〜5回でなくなってしまいます。
 半刃ステライトステライトを1本おきに付けたものです。
全刃よりも価格が安く大工さんには一番使われています。
挽き肌は全刃よりも落ちますが、木材に対する接触が少ない分発熱も少なく挽き曲がりが少なく、刃持ちも良くなります。


4.バックローラー
バンドソーには刃の後ろのベアリングのついたローラーがあります。
通常は刃物の背の部分から5mmほど隙間を開けておきます。
これは、無理をした時に刃が後退して刃とホイールが接触するのを防ぎます。


5.ホイール
ホイールにはゴムのついたゴムホイールがあります。
ゴムホイールは細帯の時ホイールの中央に掛けて使います。
アサリがゴムに食い込むため刃もホイールも傷めません。


6.スターデルタモーター
大型のバンドソーは始動時のみ大きな負荷が掛かるため通常のブレーカーを付けると飛んでしまいます。
かといって、大き目のブレーカーを付けると長時間過負荷状態でもブレーカーが飛ばないため、モーターが焼けてしまいます。
そのため、大型のバンドソーはスターデルタモーターといって、始動時のみモーターのコイルを小さくしてゆっくり始動させ、
通常のブレーカーでも飛ばない工夫がされています。


7.刃の幅について
よく「幅の広い刃にすると、曲がらずに切れる」といわれる方が見えますが、必ずしもそうではありません。
最初から広い幅のバンドソーは、すべてが大きく作られているため、安定して挽けますが、同じバンドソーにより広い刃をつけても特に大きな違いはありません。
逆に曲線挽きに使用するときは細帯を使います。
細いほど曲がって挽きやすいですが、あまり細いと刃が切れやすくなります。また細帯は通常の幅の広い帯鋸刃よりも刃の張りを弱くします。


以上、長文にお付き合いくださいまして、誠にありがとうございました。
それではまた。
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