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金床のお話(潰し釘編)

先週のレール床の注文を頂いた時、ベテランの大工さんと、こんな昔話をしました。


「昔はフィニッシュネイルもピンネイルもなくて、その代わり金床で潰し釘を打っていましたよね。」
「今では考えられないけど、窓枠も潰し釘で脳天打ちしていてもOKでしたから・・・。」
若い人には分からないといけませんので、潰し釘はごく普通の手打ちの鉄釘(丸釘)の頭を潰したものです。

もちろん、この釘を潰す時には金床は必須です。
潰し釘の目的はフロア釘の代わりに使うと思いがちですが、
意外にこの頃はフロア釘の代わりには使わず(当時は潰さずそのまま打っていたようです。)、
パネル釘の代わりに使っていました。
今の若い大工さんはパネル釘にも縁がないと思いますが、パネル釘に色を塗ったものがカラーのケーシング釘です。
(化粧ベニヤを打つ釘です。通称カラー釘って言われます。頭が逆円錐型でミニビスのような頭です。)
この潰し釘を枠材の表面から脳天打ちをするんですが、打つときに釘先が木の繊維に沿って入るため、
どうしても潰し面と木の繊維方向にズレが出ます。

ですので、頭が沈む前にプライヤーなどで向きを合わせます。

その後、金槌で打ち込んで釘を沈めます。

その後潰し釘はメッキの掛かった既製品も発売されました。その名も「カクレ釘」

中身はこんな釘です。

でもこの後にフィニッシュネイラやピンタッカが普及し消えていきました。
以上くだらない昔話でした。それではまた。
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