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舐めてしまったネジを外す その2

自分がこの業界に入った頃は、まだ世の中にインパクトドライバというものは、世の中に存在しておりませんでした。
(厳密にはエアインパクトドライバーはありました。でも、棒状の縦型でパワーも無いので修理用には使えません。)
それどころか、充電ドライバードリルのような多段式のスリップクラッチの機械もありません。
ですから、どんな固いネジもすべて人力で取り外してきた経験があります。
その代わり+ネジの+溝を潰した経験も半端ではございません。
当然それを外した経験も数え切れません。
この時代よりも以前からインパクトショックドライバという便利なドライバーがございました。

参考:http://box.nakamauchi.com/kinosei/2011/05/post-32.html
でも、実際にはショックドライバは使っていません。
(最近はこんな便利なものもあります。http://www.vessel.co.jp/handtools/info/megadora-i/

その代わりに貫通ドライバー(柄の先端が金属製のハンマーで叩けるもの)+ハンマーを使います。
左手でドライバの柄を持って、両足で対象物を押さえ、右手のハンマーでドライバーを叩いた瞬間だけ左手を回します。
ハンマーで叩くとボルトが押されて、雌ネジと雄ネジの絡みが開放されるため、
一時的にネジが緩みます。そのときにドライバーを回すことによって、ネジは緩みやすくなります。
また、普通のドライバーは先が細くなっています。
ネジが緩むとグリップを回すとなかなか早く回せませんが、細い部分を回すと早回しができます。
ですから、固いネジを緩めるときは、ハンマーで叩きながらドライバーを回し、動きかけたらグリップを回し、
軽く回るようになったら、グリップを右手で軽く持ち、左手で+軸部分を指先で転がすように回します。
(現在はインパクトドライバを使いますが、現場修理でインパクトドライバが無いときはこの方法を行います。)
本題から話が逸れていますが、とにかくネジが舐めたらどうする?と、言う前にいかに+を舐めないようにするか?
この予防策が一番大切です。
今回の話の応用として、+溝をハンマーで叩くと舐めた+が若干復活します。
また掛かりが浅いときは一度+溝をハンマーで直接あるいは先が平らなポンチで一度平らに潰してから、
+ドライバを当てて、ハンマーで叩くと+溝がより掛かりやすくなります。
固いネジをインパクトドライバーで取るとき、ネジの固さが極度でなければ簡単に取れますが、
極端に固いと、+溝を極端に大きく削ってしまうため、逆効果になります。
機械ネジ外しをインパクトドライバーで行うときは、十分な注意が必要となります。
続く
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