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インパクトドライバーもクラッチ式の一種

土曜日のお話。

「40ボルトのインパクトってどうなの?」

「HiKOKIはマルチボルトで36Vと18Vが兼用なんですけど、マキタも全く同じ電池を使っているので、40ボルトではなく満充電時40Vあるから40ヴィーマックスです。」

「へぇ~。HiKOKIと一緒なの。で、18Vが36Vで使うと14.4Vの本体に18V差したのと一緒でパワーが強くなるの?」

「確かに若干強くなりますが、14.4Vが18Vなるほど差が出ません。」

「何で?」

「だって電池がマルチボルトも40V-maxも18V5Ahも中身の電池は同じ3.6Vですから。」

「でも、あまり見ないけど売れていないの?」

「基本は、まずインパクトドライバですよね~。」

「そりゃそうだね。」

「そのインパクトドライバが建前には抜群に調子がいいですが造作は使いにくいから、現場ではあまりお目に掛かれないでしょう。」

「何で?」

「40Vだから強いんではなく、40Vを強く見せるためにハンマーのスプリングを強くして、トルク表記を必要以上に上げていますから。」

「そのトルク表記って何?」

「これがまた意味不明の厄介な表記で、ナットを仮締めしてインパクトで3秒間締めた時の締め付けトルクのこと。だからネジ締めのことは無視しています。」

「でも、インパクトにトルクの強弱付いているからいいんじゃないの?」

「最新のインパクトドライバー使ってないでしょ。」

「確かに。」

「ハンマーのスプリングを今使っているタイプよりもさらに強くしてあるために空転しづらくなっています。そのためゆっくり回してもしっかり押さえていないと空転しないので、ビスが外れます。未だに機構的な打撃を変えるインパクトはありません。」

ここまでくると理解できない領域に入ってきますので、話はここまででした。

インパクトドライバーは一定の負荷がかかると軸が半回転空転し

その半回転した惰性でアンビルを叩いて回す方式です。

ですからトルクがかかると一瞬だけクラッチが働きます。

そのために手を取られずビスが外れにくく、それなのに強い締め付けができる工具です。

しかし、意味不明のトルク表記を上げるためにクラッチトルクを上げてしまい、

カムアウトしやすいところでは使いにくい工具になり果ててしまいました。

インパクトドライバーの発売したころは8k・Nで空転し半回転後打撃をかけて

100k・N以上の締め付けトルクを出していましたが、

現在の空転トルクは表記なしになっています。

これを表記するとインパクトドライバーのカムアウトしにくさの目安になるんですが

どこも記載しないでしょう。