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次世代のマルノコについて その1

最近は電子マルノコばかり売れているが、色々と好評も多いがクレームも少なくない。
軽量化に走るあまりに欠点を作ってしまっている。
とにかくマルノコは、本体価格の割に一番稼ぐ道具と言われています。
それだけに相場よりも高くとも、それに見合う価値があれば、高くても購入するという声が多い。
しかし製造側は相場よりも高い商品は嫌うようである。


参考になるかどうか分からないが、今から30年前にそれまで鉄板ベースしかなかったマルノコの中で
リョービ(当時はリョービ東和)から世界初の造作マルノコが発売された。
(正確には「胴付マルノコ」)
価格は従来機よりも1万円高い。でも当時はアルミベースの魅力を感じる方が多かったが
メーカーに抵抗があったり、「人が使ってから買う」という声が多かった。
こう言った言われ方をされるのは、当店を含め、販売側のスキル不足である。
実際にマルノコをいろいろ使ってみると、大工さんの不満が理解できる。
世界初のリョービの造作マルノコは現在のアルミベースよりも強度がある。
これは小穴カッターの定規を使っていることもあり、小穴カッターのベースを基本に製作されたためである。
当然2本定規の丸軸のため、定規の精度は抜群、
45度傾斜はできないのでスライド刃口はないだけでなく、現在のアルミベースの刃口の半分くらいの狭さである。
要するに安全カバーが当たらない分しか開口部がないので使いやすい。
欠点は、少々重かった。
発売したブランドがリョービだっただけにそれほど売れなかった。
当時としては斬新だったこともあり、消費者は様子を伺っている方が大半であった。
でも、消費者は本音を言わない。
「45度に傾かないとねぇ〜」
「落としたらベースが割れる!」
「(価格が)高い!」
こんな言い訳をする方が非常に多かった。
また当時の小穴カッター同様ベースにメッキがかかっていなかったため、
溝切で懲りている方々にはイマイチだったこともあったようだ。
それと付属のマルノコ刃が超薄刃と呼ばれるヤスリで研ぐタイプの、8寸鋸の目がついたような鋸刃だったため
刃持ちが極度に悪かった。
この時は、まだ造作用のチップソーはなく、主流は刻み中心のため40Pだった。


この半年ほど後に日立工機から造作マルノコC7Bが発売される。
このC7Bは、もちろんヒット商品でその後の大工さん用のマルノコの代名詞となった。
やがて、マキタも参入し、非造作のアルミベースタイプや電子あるいは深切が現在の主流となっているが・・・。
続く