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昨日の依頼

現在、直請け新築物件を行っておられる70代の大工さんから
「2寸x3.5寸のアレ・・・下に受ける・・・ないか。」
最近は高齢の大工さんの比率が増えて、何とも言葉が出てこないので理解しずらい。
言い方を変えて確認しようとすると本人の言われたことを否定してしまいパニくる場合も少なくない。
今回は玄関の柱受と予測したが片方が2寸なんてない。
「そんな玄関に使う柱受なんてありませんよ。」
2寸5分角を見せると
「カ○マ(ホームセンター)に行ったら何かあるだろ。」
「そんなものはないですよ。ステンレス限定でしょ。」
「そうだ。ステンレスでないといかん。」
「だったら、柱受を切ったら?」(両手で手刀を降ろすように)
「下の板を残して切るのか?」
「違いますよ。2寸幅からはみ出る部分を切るんですよ。」
と言いながら、柱受に切断ラインを描いて、ようやく納得。
イメージを忘れないうちにカットする。

芯から2寸残して切断ラインは見づらいので、落とす部分にテープを貼る。
そのラインを切断機でカットする前にスポット溶接を先に補強溶接する。

それから切断機でカットしていると先ほどの大工さんが戻ってくる。
「切っちゃたか?」
「今片側を切りました。」
「それじゃそれだけでいい。良い方法を思いついたから。」
切断した部分は多羽根ディスクで修正して、焼けと削った部分の補修をする。

これはステンレスの黒焼けを浮かせて削り取るクリーム。
ステンレスの主成分は鉄だから、切ったり削ったり溶接すると
酸化被膜が冒されて錆びやすくなるため、それを戻す効果もある。
出来上がりがこちら。


夕方過ぎに別の大工さんがステンレスで門扉の倒れ止めの金具を作ってほしいとの依頼があった。
その場で図面を引いて寸法出して、理解できるようにフリーハンドでパースを描いて、了解を得て
見積もり依頼がいただいたので、必要な材料を見積もり依頼するついでに
ダメ元で、ステンレス製の既製品はないか?と伺ったら
「あります。」(うっそー!)
見積もり頂いたら、とてもこんな安く作れませんので白旗上げました。