今のホームセンターは40年前のホームセンターとずいぶん変わってきた。
40年前はDIY用の安物の電動工具を赤字で販売し
「安い」というイメージを消費者に植え付けて、客の心を呼び込んでいた。
現在はDIYから脱却し、プロでも相手にできる商品群も取り入れている。
特定の商品を経費も出ないくらい薄利で販売し(これを囮商品と言う)
プロの工事業者も利用するようになっている。
自分は基本的に金物店は工事業者にとって、倉庫だと認識する。
ショバ代も在庫も不要のアイテムをいつでも取りに行けるところである。
しかし、ホームセンターの方が店舗面積も資本も大きいため
倉庫としての能力では金物店は勝てない。
ここで小さな倉庫が勝つためには、倉庫番のスキルの差が必要である。
基本ホームセンターには倉庫番は不要である。
なぜなら、お客様は商品を目で見て確認してピックアップするからである。
当然、距離を歩くし、間違いがないか自ら確認するために時間がかかる。
金物店は、必要なものを言えば商品が出てくる。そのための倉庫番である。
しかし、倉庫番にはたとえ経営者であっても人件費がかかる。
当然、高い人件費は価格の差に出る。
だからホームセンターよりも都合がいいことは当然だが、
最近は、金物店も高齢化でより良い仕事ができないところが増えている。
そのためにホームセンターや大型プロショップに隙を与えている。
以前、コメントでこんなことを頂いた。
「最近は修理を金物屋に出さず、ホームセンターに出す。理由は、金物店だと見積もりがなかったり、修理完成しても連絡がない。ホームセンターだと、見積もりもあるし、完成連絡もある。」
これでは立場が完全に逆になっている。
金物店の経営者はかつて、
「ホームセンターやネットだと修理に困るぞ。」
(修理を自分の手でしない人が言われるのは?と思いますが)
であるが、こんな状況では、修理部門もホームセンターに負けているし
ホームセンターに持ちこまれるようになると、ますますネットショップに都合が良くなる。
このままでは、中堅以下の金物店の将来はない。
この先、数年で廃業される方は構いませんが、数十年頑張りたい金物店さんには
量販店やネットショップに勝てる仕事をして頂きたい。
まず、できる修理からでも手掛けていただきたい。
これが、このブログを書いている本当の狙いである。