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宮川工機の仕口加工機修理

1か月ほど前に、ある棟梁から電話が
「俺の仕口加工機が動かなくなったりするけど、頼んだら直してくれる?」
この仕口加工機は当店で販売したことがありませんし、1年くらい前にベルトを交換させていただいただけで
使い方も知らず、正常が分からないので異常も分かりません。ですから
「見るだけなら見ますが、宮川に聞きながらでないと修理ができませんね。」
販売したところは、機械にノータッチの販売店でその代理店も廃業したので、頼むところがないような雰囲気
とりあえず、「分かった。」と言うことでそれから音沙汰なし


それが先日、電話が来まして
「宮川に色々話をしたら”この部品”が悪いからと言われて部品だけ用意したんだけど替えれる?」
「この部品?ってインバーターでしょうか?」
「プログラム何とかと書いてあるから違うかな?」
「交換するだけなら交換しますが、直る保証はないですよ。それと直らなくても工賃は請求しますがそれでよければ伺います。」
「分かったで頼むよ。」
と言うことで、お邪魔します。

これが問題の仕口加工機。
宮川工機は元々全自動プレカットの最大手メーカー。
この手の仕口加工機はプレカット用ではなく刻み大工さん用になります。
違いは、スイッチで動くかCAD/CAM(図面データに基づくコンピューターからの命令)で動くかの違い。
用意していた部品は、ごく普通のインバーター周波数変換装置)でした。
同梱されているはずの配線図がありません。
インバーターは数年で新型に毎回変更するため、故障するころには仕様が変わってる。
そのためにも普通は配線変更図が付属されているが、今回のものには付いていないようである。
棟梁に確認すると
「女の子でも交換できるくらい簡単だって言ってたよ。」(これは嘘でしょう。)
「だったら親方が交換してください。」(こちらも駆け引きします。)
「俺は、ようやらん。」(これで敷居が上がったでしょう。)
まず、新しいインバーターと古いインバーターの記号を確認する。
特に怪しい部分がないので16本ある線を1対1で追ってみると、すべて当てはまるので、問題はなさそうである。
最初に古いインバーターの配線図の画像を撮っておく。

配線をすべて外してから、インバーター本体を取り除き、
新しいインバーターを取り付けて、配線する。
正常が分からないので、途中で棟梁が打ち合わせに出かけてしまったので
職人さんに試運転をお願いする。
すると


あれ?直った。(あれ?は心臓に良くない。)


直らなくても工賃は頂くつもりでしたが、これなら堂々と請求できます。


次の日、棟梁から丁重なお礼の電話を頂きました。