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目指せ!究極のスライドチップソー 宿題編

先日、藤田丸鋸さんが来店されました。
数か月前の宿題の回答が目的でした。


その宿題とは、感動を呼べるような大工さんの使うスライドマルノコ用チップソーを作ってほしいと言うことでした。
以前、来店されたときにはすでに試作品を持参されました。
その時は台金の職人さんも同行され、市場が何を求めているか?
少しは理解して頂こうとお話ししました。
そもそも藤田丸鋸さんの売れ筋である165x52Pは
「どうしてこんなに切れるの?」
と使用者から質問があるほどの品質でありますが、
スライドマルノコ用に関しては正直、感動を生むような切れ味ではありません。
でも価格は純正品より高いので、販売する意味がありません。
他社と製造工程を比較するわけでもありませんがスライドマルノコ用のチップソーに求められるものは
・表面に出るバリを極限に減らす
・切断面の綺麗にする
この二つは当然でありますが、これよりもっと大切なこと
それは 


切断面を限りなく平面にすること


と自分は思っています。


従来のスライドマルノコは切り始めと切り終わりが微妙に鋸道が広くなる傾向があります。

そのため枠材を留めで固定すると、一番見える木端留め部分に隙間が出やすくなります。


これを踏まえて、試作品を使って枠材をカットします。
いきなり切断終了時に
「バーン!」
と音がして、木口に痕が残っています。
枠材が逆反りしているかもしれないので前後逆にしてカットしても
「バーン!」
変わりません。
ひょっとして?と思い藤田丸鋸さんが持参されたマキタのスライドマルノコのガイドルール(背中の定規)を確認すると
中央が凹んでいました。

これではダメですね。
対策としてガイドルールの右側に当てないように枠材を2cm程度だけカットすると
静かにカット出来ました。
カットした互いの木口を合わせると、従来品同様に切り始めと切り終わりが微妙に空いています。
これでは純正よりも高額な意味がありません。
そこで、この件を宿題として先週来店されたわけであります。
続く