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TD155D解析


これまで数えきれないくらいトルクの小さい造作用インパクトドライバーの必要性について語ってきました。
今回のTD155Dが造作現場の希望に沿えるか?


まずカタログを見たうえで、あくまでも個人的観測ですが大工さん用に作られた機種ではないようです。
この機種だけでなくインパクトドライバーそのものが特定の業種向けではなく
工事業者全般向けに作られています。
それを前提の上、木造工事に使えるかを考えてください。


今回もいつも通り普通の販売店が使うようなメーカーの謳い文句は使わず
逆に否定的な意見を書かせていただきます。


1.特徴 軽量スリムボディ
軽量であることは間違いないですが軽量なのはモーターおよび先端部分だけであり
バッテリの重さが変わらないために本体を持つとバッテリ側が重くバランスが悪い。
握り部分の一番下を意識的に持つとバランスが取れるが、その状態では押さえにくいので現実的ではない。
かたさんさまから言われていました親指付け根に当たる部分の出っ張りが従来機種よりもさらに大きい。
それをなくせば押さえやすくなるが、さらに重心から遠くなるのでグリップをもっと短くして
バッテリを薄型に変えるとベストになりそうである。
ハンマーの外径を小さくしたので短めのビットでも縫い付けしやすくなったことは評価できるが
反面全長を短くする競争だったことを忘れたのか?
TD170シリーズよりも全長がかなり長くなっている。
「狭いところで使いづらい!」の声は避けられないが、それほど致命傷ではなさそうである。


2.トルクについて
毎回トルクは参考にならないと言ってきましたが、今回も数値はあくまでも一つの目安で
使いやすさは実際に締めてから評価してください。
で、実際に金物用のビスとコーススレッドを締めてみました。
ハンマースプリングは大昔の12Vシリーズよりも強いです。
しかしハンマーの径が小さいために打撃が少し弱い感覚があります。
そのため建前のボルト締めや金物の90mm以上のビスはかなり締め込みが遅くなりそうな気がします。
+ビットでのカムアウトはTD170シリーズよりも軽減できることは間違いないと思いますが
初期のTD130Dあたりと比べると今回のTD155の方がカムアウトしやすいような感じがしました。


3.価格について
フルセットを購入しようとする場合、バッテリが3.0Ah2個付きのセットしかありません。
3.0Ahは長い目で見ると不経済なので、本体のみを購入する方法も考えられます。
ただ、控えた機能でも定価19800円は簡単に購入できるような金額とは言えないでしょう。
そのあたりをご考慮の上、今後の参考にしてほしいと思います。