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改めてインパクトドライバーその2

最新機種までパワーの比較の基準となる数値に
「トルク」表記があります。
トルクが大きければ大きいほどパワーがあると言うことは間違いではありませんが
過去にも説明しましたが、現実とはちょっと違います。
まず、トルクの計測方法が各社異なることに問題があります。
さらに木ネジを締める目安と思っているのに実際に測っている対象は
鉄部にハイテンションボルトを遊びがないところまで締めたものを2秒間くらい締めたときの
ボルトの締め付けトルクを表記しています
そのため打撃そのものの弱いソフトインパクトTS141Dは40N・mしか締まりませんが
新型のインパクトTD171Dは180N・m締まります。
ところが、この二つの機種でコーススレッドを締めると
それほど大きな違いは出ません。
それでも、TD171Dの方が早く締まりますが、トルクとは別の理由があり、早く締まるようです。
それは、ハンマーのスプリングに要因があります。
tetsu_9thさまの過去動画にもありましたが、新しいインパクトドライバーほど
ハンマーのスプリングが強くなっています。
そもそもハンマーのスプリングはアンビル(ビット軸)を回転方向に叩くハンマーがあり
アンビルに負荷が掛かるとハンマーも負荷が掛かり、
ハンマーに負荷が掛かると縮められるスプリングがハンマーのスプリングです。
スプリングが縮み切るとハンマーがアンビルから逃げて半回転空転し
その慣性で再度アンビルを叩く方式がインパクトドライバーの原理になっています。
実際に使用すると負荷が小さいうちは打撃がなくモーターの回転がそのままビット軸の回転となり
負荷が掛かるとハンマーが外れてはアンビルを叩く繰り返しにより特有の打撃が起こります。
そのため、ビットは打撃の時にビスを回しますが、打撃の直後ハンマースプリングが縮み切るまでの間も
ネジを締め続けることになります。
トルク表記の大きいインパクトドライバーはこのスプリングが強いために
打撃直後のビスを回す角度が大きく、その間にビットがビスからそれ相当の押さえつけを
使用者が行わないとカムアウトを起こしてしまいます。


ですから、最近のインパクトドライバーは強すぎて使いづらいと思われる場合
ハンマーのスプリングを弱いものに変えたり短くしたりしてハンマーが逃げやすい状況を作れば
造作用のインパクトドライバーに変わります。


でも、以前からメーカーにお願いしておりますが
最終形態として、ハンマースプリングの強弱を切り替えられるインパクトドライバーが
発売されることが一番と思います。
現在の強弱切り替えはモーターの回転数のみの切り替えであり
カムアウト対策には、少し遠い存在となっております。
このあたりの改良をする前に、
このことを製造者も使用者も理解することから始めないといけないと思っているのは私だけでしょうか?


今回は、蘊蓄をたらたらと書いて申し訳ございません。