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お客様のためになることが仕事

”お抱え大工さん”と言う言葉がある。

他の地区ではこういった言い方をしないかもしれませんが

こちらでは親方が専属で使っている大工さんのことを

差す場合もありますが、一般に言われるのは、

お施主様が常駐的に常傭でお願いする大工さんのことである。

お抱え大工さんと言われると仕事の依頼量も多いが

その分、相談量も多い。また雑用も多い。

日当が頂ける仕事もあれば、頂けない仕事もある。

それと頂いても良いが諸事情で頂けない仕事もある。

お施主様からすれば、掛かっただけ請求されるからお願いの仕方も考える。

 

そんな折、地元の某大家さんのお抱え大工さんから相談があった。

「プレカットって、金物はどうなってる?」

「それは元請けに決定権がありますが、材木屋さんに相談すれば売り上げが多い方が良いから、みんな持っていっちゃうよ。」

「建方屋も来るみたいだから、どうすればいい?」

「それでも、建方請けだと依頼業務が終われば午前中でも帰っちゃうし、契約によって違うはずですけど。」

「実は、お施主が建方を直接頼みたいとの依頼で相談があったけど、材木屋は大工さんを通さないと受けられないと言うので伝票だけ俺を通して、依頼はお施主様から直(ちょく)と言う話なんだけど伝票が通る以上俺の責任もあるので・・・。」

「それは無責任な仕事はできませんね。正当にマージンを頂いてやるべきことをやらないといけませんね。」

「じゃあ、これから打ち合わせするんで、チェックできるようにFAXしといて。」

と、こちらの返事も聞かずに帰られました。

きっと、お施主様もこんな感じなんでしょう。

 

と、言うことでチェック項目をパソコンで書いてFAXします。

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次の日、またその大工さんが来られました。

「OK、OK!今回は建方屋が土台・建前・建前で必要最低限の構造合板貼りを行って2日目は、金物が付けられるだけ付けて、残った分は付けずに終了と言う条件で確認できたんで納得です。」

「建て起こしはどうするの?」

「それも建方がやってくれるけど、それは自分でも確認するよ。造作は俺がやるから。なので、その後の金物はお願いします。」

結局、建前の金物の取り分は必要最低限になってしまいました。

売上は上がりませんがタイトル通り「お客様のためになることが仕事」