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先週の解答(マルノコ盤編)

先週の解答をいたします。
先週の問題は下記の文の間違え探しでした。
問題文は、
「マルノコ盤で天然の厚さ6cmの木材を挽き割る時、安全且つ正確に切るためには、真っ直ぐな定規をマルノコ盤の長さ分伸ばし、反発を食わないようにチップソーはなるべく細かい刃を付けて、刃をたくさん出すと危険なので、材料の厚みより1cmほど出す程度にして切断した方が良い。」
でしたが、ぱっと見るとおかしいところがないように見えますが、
まず一つ目の間違いは、「真っ直ぐな定規をマルノコ盤の長さ分伸ばし」と言うところですが、
ベニアや集成材あるいはプラスチックを切る時はこれでいいんですが、
天然の木材は縦に切る(正確には木を縦に切ることを”挽く”といいます。)と、
ほとんど切ったところが開いていきます。
すると切った後まで定規があると、定規の先と開いた部分が当たり、
結果、定規と刃に挟まれた部分が刃を押すため、刃がきしんで非常に切りづらくなります。
そのため、一般的に天然の木材を切る時は定規を手前から刃までにして、
刃の向こう側には伸ばしません。


二つ目の間違いは、「チップソーはなるべく細かい刃を付けて」ですが、6cmの厚みの木を縦に切るわけですから、
ものすごい抵抗がかかります。そのため少しでも粗い刃を使わないとモーターも材料を押す人も無理をします。
さらに刃も無理をして高温になり刃がブレる現象が出て、切り口は焦げるし鋸道は不揃いだし、
チップソーが腰抜けになる(無負荷回転でもブレる状態)こともあります。
そのため縦挽き用のチップソーは必ず粗い刃になっています。


もうひとつ、プロでも知らない間違いがあります。「材料の厚みより1cmほど出す程度にして切断した方が良い」ですが、
6cmも厚みがあるとかなり手で送るには力が要ります。
しかし刃物の出方が少ないと材料が浮いてチップソーの上に乗った形になり、その瞬間危険です。
材料がものすごい勢いで手前に飛ばされます。
だから、片手で材料を押して、もう片方の手で材料が浮かないように必死で押さえて切っています。
逆に、刃を5cmぐらい出すと刃が材料にあたる本数が減るので少し粗い刃になったと同じ効果があります。
また、強く押しても刃が垂直に近い角度で当たり、さらには刃も上から下に押さえる形になり、
ほとんど材料が浮くことがなくなるため、両手で材料を送ることができ、刃の近くを押さえる危険性の高い
作業をしなくてもすみます。


以上、答えは3箇所でした。正解の商品はございませんのであしからず。
ちなみに、このマルノコ盤の作業を横幅寸法を決めるので、別名「幅決め」とも言います。
それではまた。