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マキタと日立工機の違い

私がこの業界に入ってすぐの頃、日立工機の工場見学に行きました。
勝田市(現茨城県ひたちなか市)の本社工場の中ではモーターハウジングの溶けたアルミを型に入れて成型、フライス加工、塗装までオートメーション。
シャフトはオイルを掛けながら、ネジきり、旋盤加工、キー加工もオートメーション。
ギヤは同じくオイルを掛けながら、歯切りをしてから焼入れ加工。
ステータ(モーターの外側のコイル)はまずコアの元になる鉄板をプレスでパンパンと連続打ち抜きしたものを長いかしめピンで一個分のコアを連結しエナメル線を巻き付け。
マチュア(回転する内側のコイル)はシャフトにステータ同様にコアを付け、カーボンのあたる部分に断面が扇形の銅と雲母を交互に付け、コイルも巻き付け、ファンも付け。
一つ一つの部品を作っていくところを見ることができて勉強になりました。
数年後、マキタの研修所が日進市に出来た時にマキタの講習に行った次の日マキタの岡崎工場見学が入っていまして、
当店から岡崎工場までは車で15分くらいの所なんですけれど、それまで工場内は見学したことがなかったので、初見学でした。
最初にディスクグラインダーの組み立てラインを見て、ほとんど若い女子工員が流れ作業で組み立てていました。
同行していた研修員ほとんど若い男性販売員なので、どうしても視線がラインより女子工員に行ってしまいます。
その後、日立同様自動モーター組み立てラインを見て、その後空いていた組み立てライン、在庫管理棟、と見ていきましたが、
行けども行けども「ない!」案内人に
「部品を作っている所は?」
と聞いたら、
「ここでは作っていません。」
実はマキタという会社は、前身がモーター製造会社だったためモーターは作りますが、電動工具を作り始めたときすべて部品を外注頼りだったため
未だに、モーター以外の部品を作っていません。

数年後、日立工機の工場の方が見えたときこの話をしたら
「そうなんですか。うらやましいですね。さすがトヨタ自動車のお膝元。ウチの会社の周りにはそんな下請けをしてくれるような所はないから、効率が悪くても、自社で部品を作らざるを得ません。」
とのこと。言われてみれば、当店の回りには、機械や部品の工場はいくらでもあります。ほとんどトヨタ関連ですけど。
同じ電動工具メーカーでも、出来上がるまでの内容は全く違いました。
それではまた。
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