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お役所は嫌いです その1

今年は東北で大変な震災に見舞われましたが、その前の阪神大震災の時の教訓で日本中に震災時の備蓄品を用意する命令が各自治体に下されました。
そのため、阪神大震災の時よりも極まりなく甚大だった被害にも関わらず、日本中の備蓄品を活用し、被災者の救済に役立ったことはあまり知られていないようです。
当時(今から15年ほど前)我が自治体にも、その指令が来ました。「簡易救助器具を設置せよ」と言う指示でした。管轄は市の消防署の通じ内容は
「市の136箇所に震災時、民間が署員が駆けつけるまでの間に救助ができる備品を備えておくこと。予算は800万」ということでした。
当店は普段より消防署とはお付き合いがございまして、署員の方も道具の良し悪しはイマイチ分からないようで、私のところまで相談の連絡がございました。
「簡易救助器具をそろえたいのですが、どんなものがいいか分からないので、スコップとつるはしと鋸と・・・・・を見本で一式持ってきてください。」
と言われ、署員の方に選定していただけるように、トラックいっぱいの工具を持っていきました。
価格を落すならモノを落せばいいのですが、もし、震災があって変な商品を納めてそれが肝心な時に柄が折れて人の命に関わるようなことがあったら嫌ですから、
署員の方と一緒にベストなグレードを選び、本来は消防署が仕様書を作るのですが、
「専門的なことが分からないので・・・・」
と言われ、こちらで作ることにしたんですが、
「一つ断っておきますが、金額が大きいので、5社指名入札になってしまいますが良いですか?」
でも、私は不正は嫌いです。同業者がいつも持ち回りで談合入札していることは知っていますが、私は参加していません。
相談の上、安物を見積もりできないように、すべての見積もり商品にメーカー名・商品名を明記したものを作り消防署に提出したのですが、担当署員の方が
「本当にこれでいいんですか?」
でもやっぱり不正はいけません。ましてや、人の命に関わるモノですから。
これで5社指名入札による見積もりが始まりました。
すると翌日、担当署員から電話が、
「S販売店から”トビ口”ってなんですか?なんて訊いてくるんです。よくこれで商売やってるなぁ。ところでそのS販売店がロープの製造元が分からないので電話番号を教えて欲しい。」※トビ口=丸太など大きい木材をてこの原理で転がす道具。先端が鳶の口のようになっていることからトビ口と言われる。
と言われ、電話番号まで仕様書に加えてまた提出。これではまるっきり、お役所仕事の代行です。
いよいよ入札の日になりました。
続きはまた。
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