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エアモーターと大工道具

エアモーターの付いている大工道具といったら、何を思いつくでしょう?
まず一つ目はエアのビス打機でしょう。
初めて、エアのビス打機を発売したのは、現在はマキタに吸収された兼松です。
当時のビス打ち機はピストンそのものをエアモーターにして、エアモーターを押し込む方式だったため、
モーターの移動時にモーターの抗力でボディがピストンの進む反対方向に逃げる力を押さえるために人力でより強く押さえる必要があり、
発売当初は画期的と言われましたが、その後、MAX・日立がビス打機を出した後は使いにくいため、あまり使われなくなってしまいました。


もう一つ忘れてはいけないエアモーターの大工道具と言えば、エアインパクトドライバーです。
エアインパクトドライバーは全長が短いため、使うところによっては、現在も使われるところがあります。
しかし、欠点が多くなかなか一般的には使われていません。欠点は下記の通りです。
・たくさん使うとエアが追いつかない。
・使いすぎるとモーターが凍て付いて不具合を起こす。
・ハンマーの寿命が短くある程度使用するとパワーが弱くなる。
・超低速が使えない。


エアモーターの構造はローターと呼ばれる羽根の付いた外周にエアを流して回転させます。
簡単な構造のため、小さく作ることが出来ます。
エアモーターと電気モーターの違いは下記の通りです。


              エアモーター                  電気モーター
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過負荷時      止まるだけ                  モーターが焼ける
長時間使用     大きな問題はない(冷たくなる)       モーターが焼ける
変速機構      エアの流量を替えるだけのため簡単     カーボンモーターの場合、電圧を替えるだけ
                                    それ以外は周波数を替えるため複雑
エネルギー変換効率 10%未満(非常に悪い)         三相は80%・DCサーボは75%前後
                                     それ以外は50%前後
その他       コンプレッサーが必要            カーボンモーターのブラシは消耗品
          使用量が多いと水抜きや
          エアドライヤーが必要
          ローターのフィン(羽)は消耗品    
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こんなところでしょうか。
結論として、エアモーターは建築現場では限られた電源の中で作業する工具のモーターには向いていないようです。
それではまた。
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