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先週の解答(折れやすいコーススレッド)

先週の問題は
どうしてコーススレッドは折れやすいのでしょうか?
という問題でした。
サンダさまからは
「内装ビスと違ってコーススレッドは先端が割れていないので、木の繊維に食い込まず圧力が掛かり折れやすい。」
takaさまからは
「ねじ山が粗く、スプーンカットも無いので抵抗が大きいからだと思います。ネジ部で抵抗が大きいと、軸は捻れるので金属疲労に近い形で折れるのでしょう。」
という二件の回答を頂きました。
もちろん、お二方とも正解です。
よく、お客様から「もっと折れないネジはないのか?」「折れるからもっと太いネジを出してくれ!」なんて言われますが、
細ビスは、細くてもなかなか折れません。
逆にビス止めホールダウンの太いビスでも折れることがあります。
結局、折れやすさは太さではなく、木ネジのネジの部分にかかる抵抗よりも軸の耐力が劣るとネジがちぎれてしまいます。
そのためにネジの進入抵抗を小さくしなければいけません。
内装ビスの先端カットやねじ山の中にある刃は、進入抵抗を小さくする効果があります。
それでも、本当に硬い木に内装ビスや景品つきのビスを使っても折れます。
そんな時は諦めて、ネジの身の分の下穴を開けてネジを締めこんでください。
あと、もう一つコーススレッドが折れやすい理由があります。
大工工事に使われているコーススレッドの90%以上が65〜90mmです。
65・75・90mmのコーススレッドは半ネジタイプでも、ネジが2/3程付いています。
ところがコーススレッドで取り付けるものの厚みは大抵ビスの長さの1/2位で使うことが多いので、
強引に締めこんでも手前の材料にネジが残っているため、隙間が寄りません。
内装ビスはネジの付いている長さが大抵1/2です。そのため隙間の寄り方がいいんです。
コーススレッドは寄らないのを無理に締めて寄せようとするため折れることがあります。
(折れたときは手前の材料と下地の隙間が開いたままで折れてしまうため、どちらかを壊さないと次の処理ができなくなってしまいます。)
結論としては、無理な締め方はしないということでしょう。
でも、プロの方は言われなくても、経験で分かっているはずです。
前にも言いましたが、現代の大工さんは木ネジをうまく使いこなせて一人前だと思います。
(素人が偉そうなことを言って申し訳ございません。)
使う方だけでなく、木ネジを作る人、売る人、それを締めるインパクトドライバーや+ビットを作る人、売る人
それぞれが、それぞれの持ち場でいい仕事が出来るように努めて頂きたいと思います。
それではまた。
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