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俺は常庸大工じゃない?

先日、ある大工さんが来店してきた時に、東北から若い出稼ぎの大工さん中でベテランの大工さんが孤軍奮闘しているので、
どんな働き方をしているのか気になって、
「大工さんは○○棟梁のところで常庸(じょうよう)で働いているんですか?」
と尋ねたら、真顔で
「違うよ。日雇いだよ。」
と言われました。えっ!どう意味が違うんだろ?と思っていたら、その大工さんニヤっと笑って、
「俺、申告に行くと常庸大工なんて項目はなくて、日雇い大工の項目になるようなので『日雇い大工』が正しいみたい。」
「言われてみれば、本当の常庸ではないですよね。」
「本来は日雇い大工なんだけど、『日雇い』と言うと日雇い人夫みたいで格好つけて『常庸』って言っていると思うよ。」
なるほど、日本人はダイレクトな言い方を避けますので、どうしても日雇いで働いている大工さんが自分のことを
『日雇い』とは言い辛いですよね。
『常庸』なら何か不鮮明で契約大工さんぽくってイメージが『日雇い』よりもいいかもしれません。
ここで言う本来の常庸と言いますのは、前にも書き込みしましたが、お施主様が棟梁を含めた大工さん(経費込み)を一日いくらで契約して、
人工を棟梁に支払う賃金形態のことを言います。
ちなみに”庸車(ようしゃ)”と言う運賃払い形態がありますが、これは運転手を車などの経費込みで一日いくらという支払い形態を言います。
地元の愛知建設組合連合ではずいぶん昔から日雇いの日当を決めてきました。
20年以上前から「大工日当23000円」になっていますが、この金額がどうも曖昧で
本来はお施主様から日当として頂く金額でスタートしたと思うんですが、自分がこの業界に入った時には、
棟梁が職人さんに支払う日当になっていました。
と、いうことは棟梁の原価ってことなのに、なぜか日当の23000円と書いた紙が当たり前のように棟梁の事務所に貼ってあります。
これは、どうも腑に落ちません。未だにこの日当というものが、お施主様から頂く金額なのか職人さんに払う金額なのか分かりません。
さらに税抜きか税込みかの表示もありません。組合もそのあたりをしっかりして頂きたいと思っているうちに、
不景気で大工さんの平均日当相場も下がってきてしまいました。
今は日当23000円なんて夢の話になってしまいました。
仮に日当23000円としても年間260日働いて経費が年間100万掛かると23000円x260日−1000000円=年収498万円
サラリーマンの平均年収には、遠く及びません。月の手取り25万円のサラリーマンクラスです。
(税抜き基本給30万x12ヶ月+ボーナス60万x2=年収480万※但し保険料会社負担分と退職金積立含まず)
もう一度、組合での大工さんの日当の取り決めをしっかりして欲しいと思います。
全国の大工さんの組合さん方、大工さんの収入確保のため、今一度日当の在り方、考えてみてください。
よろしくお願いいたします。


※決して日雇いの方を非難しているわけではありません。日雇いでも立派なお仕事です。
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