PVアクセスランキング にほんブログ村

私の祖父(その1)

先日、ある宮大工さん親方の依頼で超仕上カンナに修理に行きました。
この親方は70歳になりますが、直前まで入院されていまして、少し現場のカンが鈍っているのか?
使い方が悪かったせいか?どこも異常がありませんでした。
「俺の使い方がわるかったのかなぁ?」
そこに奥さんがやってきて
「ウチのお父さん、わけのわからないことばっかりいているけど、ちょっと座って話を聞いてあげてよ。」
と椅子を持ち込まれて、座談会状態。
「原木を切るときは・・・・・・。」
「檜はいつまでもおいておくと油っけが抜けて・・・・・。」
親方は、こんな調子で木の話を延々と話されています。
こんな調子だから奥さんの気持ちも分かりますが、奥さんも
「ウチのお父さんいつもこんな宇宙のような話をするから訳が分からないわ?」
「でも奥さん、木を愛して仕事をする職人さんはみんな木を切り出す人の気持ちとその木を使ってくれる人の気持ち、またお施主様に長く使っていただくことを常に考えているから、皆さんそんな話をされていますよ。」
「えっそうなの!じゃぁ、ウチのお父さんおかしくないんだ。そう言えばトシカネさんに見て欲しい写真があるの。ちょっと待ってね。」
そして写真を持ってきてくださいました。
「これお父さんが入院する前の日までに作った和室。」
言葉では表現できませんが、和洋折衷のような感じのオール無垢の和室です。
次のページをめくると親方が椅子に座ってる写真なんですが、目の前にいる親方は親方風の格好をしていますが、
写真の親方は普通のおじいさんが椅子に座っている感じなんですが、その風貌が私の祖父にそっくりなんです。
それもそのはずです。この親方の家は祖父の実家なんです。
続きは明日。
562923