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造作マルノコのスライド刃口

これまでに何度も造作マルノコを否定してきましたが、改めて造作マルノコの話をします。


この業界で初めて造作マルノコとして発売したのは、今から30年くらい前ですが、
リョービ(当時はリョービ東和)から発売したDW-600(モデル番号に自信がありません。間違っていたら訂正します。)でした。
当時としては直ぐに落としてしまうマルノコにアルミベースは抵抗があって、なかなか売れませんでした。
この造作マルノコは現在のものとは全く違って、業界初のアルミベースマルノコでしたが、ちょうど小穴カッターを一回り大きくしたベースでした。
平行定規は小穴カッターの二本差しの丸軸で平行精度は抜群でした。
また、本体は傾斜せず、90度切り専用で、刃はチップソーではなく、超薄刃と呼ばれるヤスリで研げる刃数が200枚くらいの細かい刃が付いていました。
とっても綺麗に切れますが、刃持ちが全くよくありません。
現在では、ベースに当たり前のクロムメッキがかけてなく、白木の上を切るとアルミの筋が残るため、消しゴムで痕を消していました。
しかし、現在当たり前のスライド刃口がありません。角度も傾かないため、刃口が安全カバーの分しか開いていません。
だから、この機械を持っている方は、非常に重宝されておられました。
その1年くらい後に日立から現在の原型である造作マルノコC7Bが発売されました。
これは売れました。やっぱりリョービブランドには抵抗があるんでしょうね。当時はマキタのマルノコはギヤがもろく、モーターも弱かったので、
日立の商品は現在以上に人気がありました。
ベースは傾斜します。ハードクロムメッキもかけてあるので、消しゴムも不要です。チップソーも60Pが標準装備です。(別売りもありました。)
しかし、このときベースを傾けるため、刃口をスライド式にしてしまいました。
そもそも、これが発端です。
それから30年近く経ちますが、アルミベースマルノコの影に隠れて、盲腸のようなスライド刃口が改善されません。
スライド刃口はベース面より出っ張ると問題があるため、微妙にベース面より引っ込めてあります。

そのため敷居のように幅の広いものを切る時は問題ないですが、化粧垂木や回り縁のように幅の狭いものを切ると切り終わりに刃が微妙に傾き痕が残ります。
日立にもマキタにもやめるようにお願いしておりますが、一向に進展しません。
同業者の中にもまだ”アルミベースのマルノコ=造作マルノコ”と、言われる方が見えて情けない思いです。
今回の記事にご不満のある方が見えるかもしれませんが、今回は私のボヤキと思って聞き流してください。
それではまた。
601106