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タッピングビスその1

以前も”鉄骨を締めるビス?”で取り上げたタッピングビスですが、この名前の解釈が人によってまちまちでいつも悩まされています。
お客様が「”タッピングビス”をくれ!」と言われたときに、大半の方は『鉄板に直接締めることの出来るビスを下さい』と言っている意味で言われている方で、
下穴を開けずに木を留める目的の方が30%くらい、(この場合リーマーフレキのドリル付タッピングビス)
手前の材料はバカ穴が開いていて、そこから下地の鉄板に穴を開けないで留める目的の方が30%くらい(この場合通常のドリル付タッピングビス)
それ以外に
下穴を開けてから留める目的のビスで実際は木ネジがわりに使われる方が40%くらいでしょうか。
(これが本当の”タッピングビス”なんですが正式にはAタッピンと言います。)
ある程度はお客さまの職種や今までの購入暦で推測はできますが、それでも怪しいところがございますので、確認のために
「下穴を開けずに鉄板に木を留めるビスですね。」
なんて訊きますが、大工さんは木が主役でCチャンのような鉄板は例外的存在ですから木を留めると言わずに
「鉄を留めるビスだ!」
って、言われます。
最近ではホームセンターで一般の方がタッピングビス(正式名称:Aタッピン)という商品名を目にされるようになり、
モノと商品名が一致するようにはなりましたが、本来の使用目的ではなく、木ねじがわりに使われる方が多く、
名前と意味が一致していません。
例えば知恵袋でこんな質問がありました。


・質問
鉄板ネジ (鉄板木ネジ、あるいは鉄板用タッピングビスとも言う) は、
木ネジと何が違うのでしょうか。
鉄板ネジも木ネジも、見た目は同じで、材質は両方ともステンレスまたは鉄材です


・ベストアンサー
一般のネジとタッピングビスとの違いは直接、錐で穴を空けること無く、ネジ止め出来ると云う事です。鉄板やアルミには大抵はポンチでタップしてからネジ留めをしますがタッピングビスを使用すればその工程を省く事が出来ます。見た目に差がないと云う事ですが、先端を見れば差は歴然だと思います。


・それ以外の回答


1:鉄板用と木部用木ネジの違いは材質です、木ネジは時折曲がってしまいますが、鉄板用ビスは曲がることは有りません、これは鉄分の中の炭素成分の量によるもので炭素量が多くなるほど硬度が上がりますが逆に粘りが少なくなりますから使用する目的によって硬さと粘りのバランスを炭素量で調節しています、最近ではモリブデン鋼などのものも有ります、又タッピングビスはネジ山の溝の深さを深くしてより入り込みが良くしっかり締まる工夫がして有ります、又硬いものに使用するものはネジのピッチが狭くなっています。


2:ズバリねじ山の間隔です。タッピングビスは狭く先にドリルが刻んであるものもあります。木ねじは広く先が錐状になっています、頭の部分にも木部に入り込むように切り込みがはいっているものもあります


3:鉄板木ネジという呼称をわざわざ使ってあるので、それと木ネジとの違いを較べてみますと、鉄板用は全体にネジが切ってあります。木ネジは頭に近い部分はネジが切ってありません。これは、(推測で申し訳ないのですが)薄い鉄板を留めるには根元までネジが必要だが、10ミリの板を留めるときに全体にネジが切ってあると下地の木材と板が密着しないため、根元の方にはネジが切ってないのでしょう。現場での経験で、私はそう考えました。


4:先ず、ねじのピッチ(ねじの山と山の間隔)が違います。タッピンねじ(JIS B1122)は、主に薄板用にタップ加工なしで使うので木ねじに対して最大でも5割程度から普通のねじ並みのピッチです。先端形状は尖っていたり尖ってなかったり、下穴の都合や作業性次第で使い分けです。尖っている場合も、先端の細くなっている部分はねじ外形値より短いです。タッピンねじの中には石膏ボードなどに使う場合用に下穴無しで使える「ドリリング」タッピンねじ(JIS B1125)もあります。http://www.sunco.co.jp/fnet/data/11/11.html


5:ネジ山の密度、螺旋の間隔が違うはずです。木ネジは穴の廻りを痛めず強度を得る為、粗い間隔、鉄板ビスは逆に薄い材料に固定させる為細かい間隔で出来ているはずです。材料の硬度と厚さに対応できるよう考えてあるはずです。


さて、皆さんならどれをベストアンサーにしますか?
続きは明日。
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