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先週の解答(スライドのお話より)

先週の問題は皆さんと考えてみたい問題でしたが、ちょっと難しすぎたようで、申し訳ございません。
まずは、先週の問題ですが
問1:今回の主役であるスライドポール。動きが悪くなると困りますね。日頃の管理としてどうしたらいいか?
これは、コメントを頂いたとおり、いかにポールを傷めないか?と言うことになります。
実はスライドポールの重量は190mmの尺スライドの場合、総重量の3割ほど締めています。
また、さらにスライドポールは焼きいれ加工がしてあります。(元日立営業マンは赴任前本社工場で焼きいれ加工をしていました。)
ですから、簡単には曲がりません。それでもスライドの命ですから、大切なことは
・無理な力をかけない
・キズを付けない
・錆びさせない
このあたりが基本的なことになります。
注油に関してですが、ベアリングの中に元々グリスが入っています。
解体すると分かるんですが動きが悪くなったポールのほとんどが錆でもキズでもポールの曲がりでもなく
ベアリング内に切断粉塵がビッチリ詰まって動かなくなっています。
ですから、この対策が一番必要と思われます。そのために
・できるだけ集塵機を使う。集塵機がなければ、破れていないダストパックを使う。
・木埃を付けやすくなる油は出来るだけつけない。
・ベアリング手前の防塵のスポンジは早めに交換する。
このあたりを出来る範囲で心がけてください。


問2:日立の後方スライドの断面図で

これを長く使うとスチールボールは硬い材質のためポールがだんだん凹み、スチールボール枠もだんだん広くなりますが、なぜかベアリングのない右側だけが、ガタガタになります。この場合ネジを締めこめば直りますが、左側はガタが来ません。なぜでしょう?
これは難しかったようですが、問1のことと繋がっています。
右側は長く使うと樹脂部品のスライド部が磨耗します。劣化収縮が起こります。ボルトが押している部分も死にます。
そのためガタが出ますが、ボルトを調整すれば直ります。
ベアリング部分は古くなったスライドポールを見ると分かりますが、6箇所あるボール部分が凹んできます。
しかしベアリング部に木埃が入ることはあっても出ることはほとんどなく、
だんだん遊びがなくなるため、スライドもだんだんきつくなってきます。
ところが新型の手前スライドタイプはガタが出ても調整が出来ません。
将来どんな結果になるか分かりませんが、そのかわり一つ良いことがあります。
それは切断した時の木埃が後方に飛ぶため手前ポールに埃が付きにくい利点があります。


以前日立が216mmのスライドマルノコにスライドポールに蛇腹の防塵カバーをつけました。
初期型は蛇腹が硬く、少し使うとスライドが奥まで行く時につっかえて、一番奥の下部分が残るクレームがあり
すぐに軟らかい蛇腹に変更しました。
しかし、この蛇腹もある程度使うと破れ目が出来、そこに木埃が入ると木埃が永久に出ないため逆効果になってしまいました。
今後も木埃対策に対して、製造側・消費者側共に考えていく必要があると思います。
もちろん私どもの流通側にも言えることだと思います。
それではまた。
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