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LP360修理2題 その1

先日マキタの三相の超仕上カンナLP360の修理依頼がありました。

LP360は純然たるマキタの自社製品です。
(前作のLP300やLP310は丸仲製のようです。)
実はこの機械には思い出がありまして、今から20数年前にマキタの木工機械専任の営業マンTさんから依頼があり
「当社でシンクス3XV-360並の超仕上カンナを作りたいので、製造チームを話をしてほしい。」
即答でOKしましたが、シンクス3x360は当時最高クラスの超仕上カンナで、
行きも帰りも削る2枚刃で、以下の機能が搭載されています。
・追従機能
厚みムラがあっても削りながら送りベルトの高さを合わせることができるため、いちいち厚みを検知しなくても勝手にベルトの高さが合う。
前作の3X-360にも追従機能は付いているが、この型は追従の低圧・高圧切替があるので反りの大きい鴨居でも使える。


・簡易刃調整機能
2本のナイフストックの正面側に六角穴がそれぞれ2個づつあり、片方を回すと刃が全体に上下する。
もう一つの六角穴を回すと刃の奥は動かず、手前側のみ上下するため刃の傾きが修正できる。


話を戻すが、マキタの設計と話をするときに一から説明すると持ち時間の30分くらいでは大した話ができないので
予め、こちらの言いたいことをフリーハンドの挿絵を入れたものを8ページほどFAXして
事前に目を通していただくようにお願いする。


設計の来店当日
4名でやってきました。
念のため「レポートはご覧いただけたでしょうか?」と伺うと、
「穴が開くほど、見せていただきました。」
内容は割愛させていただきますが、レポートの提案したものをすでに試作して、良いところと問題点も調べていただいたようです。


さらに数日後、再度担当営業マンから
「今度は3XV-360の現物を見せてほしい。」
とのことで、マキタ本社のすぐ近くのユーザー様を紹介する。
そこは担当営業もマキタ固定定盤カンナを納めているので、ことは早い。
数日後にはマキタ設計が伺い、全部解体して、原寸を測って、元通り納めたらしい。


そんな経緯があって、満を持して発売されたマキタ超仕上カンナ盤LP360の概要は
シンクス3XV-360の機能はすべて装備したうえで
・切削時のみ加圧
短い化粧垂木を挿入すると垂木後方が一度持ち上がってから下に叩きつけるために、指をつぶすことがあるが
この機能があるため、そのような現象はほとんど起きない。
また、加圧”強”の削り終わった時に「ガシャーン!」と壊れそうな音がしない。


・追従3段階切替


・自由に配置できるナイフストック
普通の2枚刃内向きか外向きに刃が2枚セットできるが、この機種はナイフストックが前後左右兼用になっているために
内向きでも外向きでもセット可能である。
また、2枚の刃を同じ向きにして大量に加工するときに便利な「行き2枚切削」あるいは「帰り2枚切削」が可能である。
さらにナイフストックの位置を前後に移動できるので、刃を傾けても2枚の刃の位置をほぼ合わせることができる。


話が大幅に挫折しましたが、修理の話に戻しますが、本日はここまで