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刑事の心境

若い駆け出しの大工さんが作業場を借りて、辞めた大工さんから譲り受けた自動カンナと超仕上げの調子が悪いとのことで、
状態を伺うと
「もらったプレナだけどかなり古いけどローラーってまだありますか?」
「機種が分からないけど。」
「今度調べてきます。」
次の日、スマホで撮ってきた写真を見ると自動尺の手押し8寸のP100RKである。
「これなら部品はまだあると思いますが、それほどローラーが古いと思えないので、問題は別にありそうですが。」
「とにかく送らないんです。」
「送らない原因として、送りローラーの上下の動きが悪い場合があります。その場合は一度削ったものをもう一度突っ込むと全く送りません。」
「それかもしれない。」
「または送りローラーの手前軸受けの下にゴミが詰まった場合、その場合は最初から送りません。」
「とりあえず、見に来てくれますか?」
と言うことで後日伺う。


初めて作業場に伺うとあまり使われていない状態の良いプレナP100RKだった。
修理をするときに悪い状況を見つけるには、正確な異常状態を知らないといけないが
ユーザーの言動には思い込みや尾ひれがついて、返って原因を調べる上で遠回りしてしまうことが多い。
これは刑事さんが犯行の状況を調べる時と同じである。
そのため、一度聞いたことをクリアしてから、状況を確認する。


まず、40x60くらいの端材を通す。特に送りローラーに問題はない。
刃の出を確認すると、一枚は若干、出すぎではあるが、送り不良を起こすほどではない。
残るは下ローラー。
手前左右は異常なし
奥の右は出すぎで左が全く出ていない?
これは調整が必要である。
右を下げて、
左を上げようと思ったら調整ボルトがない?
代用するボルトの持ち合わせがないので、大工さんのところに似たようなボルトがないか、伺うと
「あのボルトの無かったのが・・・やっぱり。」
こういう肝心なことを言われないケースが多いんですよ。
とりあえず、手持ちのボルトで無理やり押し込んだら、何とかギリギリOKでした。
今回問題があったのはこんな感じでした。


それではまた。