今年の初めだったと思いますが、某アパート会社のD建託がI工務店同様に
ベトナム人を研修生として採用する話がありました。
昨年の暮れに取引先の下請け工務店の社長さんが採用する気満々で説明会に行かれました。
帰ってから、説明会の話を伺うと
ベトナム人の日当は安いので問題ない。
でも、条件がきつすぎる。
下請け側の負担が(一部補助金があるようであるが)
・宿代
・道具代
・現場移動費
下請けの社長曰く、「これだと日本人の大工の方が安い。」とのこと。
だから親会社はまだ下請けが利益を上げていると勘違いしているかしれません。
いずれにしろ、本来研修生が大工工事を本業として行うのは法に触れているかもしれない。
まだ、発展途上国の人々が簡単に日本で働けないように規制が掛かっているから、この程度で済んでいるが
もし、規制が緩和されると職人不足は解消されるでしょう。
しかし、人手が増えれば、職人さんの一人当たりの仕事量は減ります。
競争が激しくなるために単価も下がります。
それなりの日当が必要な日本人の職人さんは稼げなければ職業を変えざるを得ません。
結局、残った日本の職人さんの賃金が下がり、仕事が減るだけ。
1000年以上の受け継がれてきた職人の技術が消えるかもしれません。
日本の木造建築の品質低下にも繋がります。
話を戻しますが、ベトナム人の説明会に行った下請けの社長さん。
実はかなり前から、日系ブラジル人の大工さん(と言っても日本の大工さんのレベルではありません)を
大勢雇っております。
その社長さん曰く、
・ブラジル人は、道具を持っていないので、新品の道具を貸すと「この道具を中古で売ってくれ。」と言う。
新品で買ったものを中古で売ったら大損ですが、それでも将来を見越して中古で販売することもあるらしいです。
・賃金を先払いしてほしいと言われるので、先払いすると黙ってブラジルに帰ってしまうこともしばしば。
結局、帰るところがある外国人は都合が悪いと帰ってしまう人もいると言うことでしょうか?
帰るところがない地元の業者や職人さんには、逃げることのできない価値があると思います。
「職人さんが足らなければ、外国人を使えばいい。」
なんてことを言われる方がみえます。
これは、あってはいけないことだと思いますが、皆さん如何でしょうか?
※決してすべての外国の方を批判するつもりはありません。
日本人以上に一生懸命に働いている方も大勢おられます。
輸入品に関税があるように、内需拡大のために人材も規制も必要と思います。