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集塵

突然ですが
水面までの深さが11mある井戸の水を汲み揚げるのにどれだけの給水ポンプが必要か
分かりますか?


答えは大気中ではどれだけ大きい給水ポンプがあり、さらに呼び水を入れたとしても不可能です。
理由は大気圧の中で11m以上水を汲み揚げると11mの手前で水の重さにより、そこから上が真空になってしまうために
水を引き上げることができません。
ただしポンプが井戸水の水面付近にある揚水型のポンプなら可能です。


同様の現象が集塵機でも起こります。
集塵機は配管内の気圧を下げることにより配管の先のものを吸うことができます。
しかし理論的に最大のパワーを出したと仮定して、
最高の真空度は真空状態の0気圧(コンプレッサーの単位ならマイナス1気圧)
よって大気圧との差で起こりうる風圧は1気圧が最大である。
しかし現実の集塵機はせいぜい0.5気圧程度なので、現実的には0.5気圧の風圧しか出ません。
エアダスタで0.5気圧の風圧なんて条件の良い鋸屑しか飛びません。


ですから、自動鉋や手押鉋の集塵は集塵機を繋がなくでも、
ある程度鉋屑が集塵機方向に飛んでいく構造にする必要があります。
昨日のあっきーさまのコメントでC6RSHCの鋸屑をうまく吸う方法の問い合わせがありましたが
スライドマルノコ(特に日立)の集塵は集塵機を繋いでも半分くらいしか吸いません。
鋸屑は鉋屑と比べ重量に対する表面積が小さいので、集塵機による弱い風圧では
集塵機方向になかなか方向を変えてくれません。
スライドマルノコの鋸屑は鋸道からチップソーに欠き出されて飛んでいきます。
鋸道のど真ん中から出てくる鋸屑はある程度ダクト方向に飛びますが
チップの刃先に勾配があるため両端は左右に分かれて飛んでいきます。
ゴムカバーに当たって跳ねますが跳ねる方向はダクトの方向でなく
フランジ方向に跳ねて適当に拡散します。
この時、集塵機を接続しても鋸屑の進行方向が微妙に変わる程度なので、大きな効果が出ません。
もし方法があるとしたら、リョービのNW422EDのようなフランジ方向に跳ねた鋸屑を
再度ダクト方向に跳ね返すゴムカバーでも付ければうまく吸うかもしれません。


どなたかチャレンジしてみてください。
ただし、自分は責任を取りませんので悪しからず!