昨日パンスト和尚さまからお問い合わせのあった件です。
一昨日使った縦挽きチップソーですが刃物形状がちょっと違います。
通常のチップソーなら赤い部分がありません。
同じ縦挽き用でもこの部分がないものもあります。
逆に草刈り用や鉄工用チップソーには付いています。
草刈り用のチップソーに関しては石に当たった際、チップに大きく当たらないので
チップの脱落防止の役目を果たしていますが
他は目的が違うと思われます。
それはチェンソーの刃と同じ目的と思われます。
刃先の前に切断能力のない当たり部分を付けることにより切り込み制限が働いて
刃物の欠けや脱落を防止しています。
また機械そのものが持っていかれると事故の元にもなります。
(いわゆるキックバック)
ですから、鋸屑の厚み+α程度の切り込み制限をするために
チェンソーは研磨するごとに
当たり部分の高さを削って合わせます。
チップソーの場合も同様です。
特に鉄鋼用のチップソーは切り込み量を小さめにしていますが
使用後の摩耗が大きいために毎回修正する必要があります。
「だったら、縦挽きの場合は必要ないだろ!」
と言われそうですが、確かに縦挽き中は、当たりがない方が切りくずの掃けが良いので
あえて設けないチップソーもあります。
付けているメーカーさんの狙いは、実際に伺ったわけではありませんが
おそらく刃が粗すぎるために、切り始めと切り終わりに起きる
キックバック対策と思われます。
また、他の理由として横切りに使った時の対策とも読み取れます。
最近は、あまり言われなくなりましたがPL法対策は製造者の必須です。
機能よりも安全性を優先しなければいけませんので
マルノコの安全カバー同様、使いにくい部分があっても
作り手の気持ちも読み取ってほしいと思います。