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誤解

昨日の午前に電話があり、溝切が動かないのですぐに直してほしいとの依頼。

持ち込まれた日立の溝切はモーター軸がビクとも動かない。

そのためベルトを外すこともできない。

仕方がないので裏技でモーターの逆ネジのプーリーごと回して外す。

ベアリングはこんな状態で全く動きませんでした。

この状態を「ベアリングの球が割れた!」なんて言われますが、

よく見たらわかりますが、球は割れていません。

鋼球が均等に配分されるように固定している球受けが破損しています。

ですから「球受けが割れた!」と言うべきですが

これを「球が割れた」なんて言われますと他の方が信用しますのでご注意願います。

同様に

「ベルトが伸びた」

これは伸びたのではなく、斜面が摩耗してプーリーのインコースを通るため

ベルトが緩む現象です。

ベルトは硬質ゴムなので縮むことはあっても伸びることはないでしょう。

 

また釘打ち機がエア漏れしたから

「パッキンが逝かれた!」

これは気密が悪いから「パッキング不良」の状態と思われますが

それを聞いた人が、パッキンと言う名前の部品が逝かれたと錯覚します。

少なくとも釘打ち機のエア漏れの半数以上はバルブの動作不良か部品の破損です。

パッキンと言われる可能性のある部品不良の可能性は低いので

「パッキンが逝かれた」とは言わないでください。

 

モーターが動かないときに私は

「カーボンが悪い」

と言いますが、それを言うと

「見たけど長さは十分ある」

と言われる方が見えます。

「カーボンが消耗した」と言ったわけではありません。

カーボンが悪いと言ったらカーボンがモーターに正常に接触していないという意味です。

長さが十分あってもカーボンブラシがスムーズに動かないとブラシモーターは回りません。

 

父の口癖だった言葉

機械が動かないと二言目には「断線」

どうもコードが切れていると言っているように聞こえるんですが回路図の中でどこが切れても断線ですからカーボンの線が切れてもモーターの線が切れても断線ですので

「通電しない」と「断線」は、ほぼ同意語。

でも父の言う「断線」は症状ではなく原因を言っているようなイントネーションです。

「コード切れ」を格好よく言っていたのか?

今は迷宮入りになってしまいました。