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木ねじのお話 その3

前日の続き
大工さんに頂いた端材に65mmの半ねじの軽天ビスを締めてみました。
ところが途中で止まってしまいます。無理やり回したらプラスがただれてはずすこともできません。
どうしてかって?
実はまだこの時代にはインパクトドライバーというものがありません。(厳密に言うと縦型のエアインパクトドライバーがありましたが)
インパクトならちゃんと締まったはずなんですが・・・


そうなんです。木ねじと充電ドライバはセットなんです。木ねじの歴史は充電ドライバの歴史でもあるんです。
インパクトドライバーが出現していないのに長い内装ビスはまだお呼びではないんです。
その後、日立から充電式のインパクトドライバーが発売されました。
当時の触れ込みは「テクス(ドリル付きタッピングビス)の締め込みが早い。」ということで、新製品発表会に行ってきました。
こんなすごい商品出ましたと言わんばかりに
「この充電インパクトドライバーは、テクスを締めると早いんですよ。」
実際従来のクラッチ式のドリルとインパクトの両方で締めてみました。
しかし、インパクトのほうが音がにぎやかいので、一見早くしまっているように見えますが、クラッチ式の方が微妙に早い!
「○○さん(日立の営業)クラッチ式の方が早いんですけど。」
「そんなはずはないですけど。ちょっと貸してください。」
ビューンガガガガガ。ガタガタガタガタガタガタ。
「そうですね〜。本当にあまり変わらないですね〜。」
ということで、自分にしてみれば六角軸しか使えないインパクトはあまりお勧めできないので、当初は乗り気はありませんでした。
当店ではこの頃、主力の充電ドリルが松下のEZ571Bという当時最先端のドリルでした。
このドリル、ハンドル径が他社より細く、キーレスチャック+オートシャフトロック機能が付いているので、片手でチャックが締めれて、
今では当たり前の無段変速+ブレーキ付きなんですが、これらの機能は当時他社にはありませんでした。
しかも、先ほどのインパクトには、無段変速が付いてないんです。これではお勧めできません。
数ヵ月後、ある大工さんが
「日立のインパクト、連れが木ねじを締めると調子がいいって言ってたから買おうと思うんだけどある?」
と、言われまして
「あまりいい商品と思っていないので在庫は置いていません。」
この時まで”インパクト=木ねじ用”なんて思っても見ませんでした。本来は”インパクト=ボルト用”ですから。
結局このお客様ご注文を頂きました。これが私のインパクト販売第一号であります。
このすぐ後に無段変速タイプが発売、またそのすぐ後に、松下から無段変速のインパクトが発売。
当然ながら、すでに松下を買われた人がインパクトを買うケースが多いので、バッテリが共通の松下ばかり売れていきます。
続く
121119