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コードリール

先月の30日にazzun2009さまからのコメントで
『扱ってほしい記事ですが、電工ドラムの電圧降下についてお聞きします。
「巻いたまま使用すると抵抗が大きくて電圧降下が大きいため工具が故障しやすい」
と聞いたことがあるのですが最近ガセであると聞きました。真相が分かれば教えていただけますか。』
との、内容がございました。
確かに巻いたまま使用するとそれほど抵抗が大きくなるわけではありません。
ある面ガセであるとも言えると思います。
交流には直流にない交流抵抗(インピーダンス)というものがあります。
電線を流れる周りに対して右ネジの法則で磁界が発生します。
しかし、その隣に逆方向の電流が流れる電線があると、隣の線の反発する磁界が発生するために電流の流れ方に障害が出ます。
これが交流抵抗です。
さらに、コードリールを巻いた状態にすると、少し交流抵抗が増えますが、極端に大きい抵抗が発生するわけではありません。
それよりも、コードそのものに含まれる交流抵抗が原因で発生する熱が問題といわれています。
銅線は温度が上がると電気抵抗が増えます。またコードリールの中心部付近のコードは暖まったコードが冷めずに、
連続して電気の流れが続くと、温度が上がる一方で、最終的にはコードを包んでいる被覆が溶け出し、さらに気化して
煙になります。(これを「コードが焼けている」と言います。)
また、コンプレッサーのように電流値が高い状態が長時間続くものは、伸ばしても巻いたままでも、
30mものコードを使用すると電圧が下がります。
最近のブラシレスモーターのコンプレッサーは修理する立場で見ていると、低電圧に対して基板が弱いように見受けられます。
結論として、コンプレッサーを使うときには
”コードリールを巻いたまま使わない”のではなく、
”コードリールは使わない”というのが正しいと思います。
なるべく、延長コードの使用を控え、できるだけ仮設電源に直結して、
それが出来ない時は太いコード(2.0)の10m程度に抑え、長く引きたいときはエアホースを伸ばす形にしていただければいいと思います。


また、電動工具には”低電圧焼け”という現象があります。
これは、電圧が低いと焼けるというよりも、
1.電圧が低すぎるため、モーターが回りにくくなり、回転数が十分でないためにファンの冷却能力が十分出せない。
2.電圧が低いためにモーターのパワーがないのに、使用者が電圧が十分あると思って使うため、負荷が掛かりすぎてモーターが焼ける。
以上の現象を"低電圧焼け”といいます。


くれぐれも、電気製品を大切に使うために、延長コードは必要最低限で使ってください。
それではまた。
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