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電子制御のお話その5

5.DCサーボモータ
皆さんの御存知である”ブラシレスモーター”のことですが、私は”ブラシレスモーター”という表現はあえてしません。
ブラシレス=カーボンブラシがないということですから、三相モーターもコンデンサーモーターもブラシレスになります。
ですから、今回はDCサーボモーターに限ってのお話を書き込みます。
現在DCサーボモーターを使用しているのは高圧コンプレッサーと一部の充電工具のみです。
(例外に日立の100Vコードインパクトがありますが、どうもこれは入力が100Vでも中味は14.4Vのブラシレスモーターを流用しているようです。)
このモーターこそが100Vの究極のモーターとも言えると思います。
何が究極か?一番大きい理由はエネルギー変換効率がいいと言うことである。
限られた電源で少しでも大きいパワーを必要とする電動工具にとって非常にありがたいことであります。
どうして、変換効率がいいか?
三相モーターと同じ磁界の与え方をするためである。
皆さんが自転車をこぐ時、上から下へペダルを踏みます。(決して足で回すわけではありません。)
その時、一番力が伝えやすい角度はペダルが水平より少し上のはずです。
ペダルが一番上や下の位置では、ほとんど力が入りません。
三相モーターは三つのコイルでそれぞれが一番力を伝えやすい部分の担当を分けて回しています。
DCサーボモーターも同様ですが、直流で回すためマイナス側をさらに3つ増やし6つのコイルに電流を順番に流して、
永久磁石である回転軸を回しています。

実はカーボンモーターも一番力の伝えやすい位置で回していますが、回転軸に永久磁石を使わず、回転軸にも電流を使用するため、
永久磁石の抗力作用が使えない分、エネルギー変換効率が悪くなっているようです。
DCサーボモーターの良い点は他に、カーボンブラシがないために交換の必要がないなんてことは言いません。
それよりも、スパークがないので音が静かです。
また、無駄なエネルギーを使わないためにモーターの発熱量がとても低いです。
しかし、その反面として問題点もたくさんあります。
制御回路が必要なため、製作コストがかかる。修理代が高い。サイリスタ制御のため過負荷に弱い。など・・・。
これらの問題点を一つづつ克服していかないと新しい世代のモーターにはならないでしょう。
今後の各メーカーさんの開発には期待しております。
「電子制御のお話」は以上です。


5日間に渡ってダラダラと薀蓄(うんちく)を並べましたが、お付き合いしてくださった方々には、ありがとうございました。
それでは明日。
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