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大工さんに「誤差が0.5度」と言われても・・・

去年の秋の展示会で問屋の担当員がお客様に販売した傾斜も測定できる距離計のクレーム修理ができたので、番頭がお客様に連絡しました。
お客様は翌日自宅から45分くらいかけて取りに来られました。
事情を聞かされていなかったので、何も考えずに預かり品を渡したら、お客さまその場で確認すると、
「こんなんじゃ全然直ってない!一応持っていくけど直ってないって言っておいて!」
と、お怒りのご様子。そこへ担当していた番頭が
「『誤差が0.5度だから問題ないですよ。』と言われているから・・・。」
再修理に出さないととメーカーにモノが言えません。
「申し訳ございませんがもう一度預からせていただけませんか?」
とお願いし、お客さま怒って修理品を投げつけて帰られました。
ちょっとまずい雰囲気です。
ここで問題なのが”誤差0.5度”です。
展示会で売ったものも番頭もお客様も”0.5度=精度が良い”と思っているようですが、
そうは思わない変わり者の私です。
仮に幅1mで1m傾くと45度です。0.5度は45度の1/90です。
ですから1000mm÷90X(1+√2)÷2≒9.2mmとなります。(ちょっとアバウトな計算で申し訳ございません。)
少なくても1mで9mmの傾きの誤差と言ったら、プロの大工さんなら
「オレの目の方が精度が良い。」
と言われるでしょう。
すぐにお客様のところに詫びの電話を入れ、
「申し訳ございません。0.5度と言っても1mで9mmの誤差と同じ意味ですから、大工さんの使える道具とは言えませんので代金はお返しいたしますが宜しいでしょうか?」
「えっ〜!分かったけど返すかどうかはちょっと待ってくれ。」
と、いうことで展示会の売り子に納得していただき、大工さんに精度を語るときは必ず角度で言わないようにということを認識していただき、
「これはもって帰ります。」
と、いうことになりました。
精度を職人さんに説明する時、決して角度で言わないで下さい。
必ず、何mmに対して何mmの誤差と言うように勾配で説明してください。
それではまた。
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