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先週の解答(チップソーの再研磨)その2

昨日の続き
昨日のチップソーが磨耗するとこんな感じになります。

※かなり極端に書いてありますが、実際にはこれほどの勾配はありません。
超硬のチップは高速回転で被切断材の木口と高速に擦れるため刃先の先端部しか磨耗しません。
そのため、こんな形状に減っていきます。
それを再研磨するラインを青で示します。

研磨するのはアゴ面と上目面のみで、原則サイド面は研磨しません。
一部の化粧合板メーカーのパネルソー用のチップソーは再研磨時サイド研磨をするそうです。
しかし、サイド研磨をすると極端にアサリがなくなるため、1度しか出来ず、再研磨したものは廃棄処分にするそうです。
一般のチップソーの場合、できるだけ研磨回数を増やす目的とチップを削る高価なダイヤモンドホイールの消耗を少なく留めるために、
サイド面の消耗した部分の半分ほどを研磨します。
研磨後はこんな感じです。

赤で示したサイド面の少々磨耗した部分が少し残っています。
でも若干勾配が残っていますのでそんなに切れ味は落ちません。
しかし、新品と同じだけ使用すると新品の時よりもサイドの減り方が大きくなります。
これを3度も繰り返すとサイドの逃げ勾配がなくなるため、きしむ感覚が大きくなります。
ちなみに、サイドの磨耗したチップを横から光を照らしてみると先端だけが光り方の違うことが分かると思います。

すべてのチップの先端が同じように光っていれば、精度の良いチップですが、一つだけ光り方が大きいと切れ肌がかなり悪いチップソーです。
理由はお分かり頂けると思います。
それと最近増えた事例として、先の図でチップと台金の間にある銀ロウ部分が高熱で溶けてはみ出したり、チップを傾けたりすることがあります。
この時は再研磨しても切れません。
見分け方は、サイド面が光るのと同様、ロウ付け面が木口に擦れるため光ります。
この場合は諦めてください。
以上、長々とうんちくにお付き合い下さり、誠にありがとうございました。
明日は一日遅れの問題を出します。
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