PVアクセスランキング にほんブログ村

適正利益その1

先日、来店した問屋の営業マンが、何か売るものはないかとカバンの中から取り出したアルミハシゴ・脚立のチラシを出して
「ここに書かれている金額はユーザー売価です。」
と言って、特に興味を引きそうもない売値が付いていましたが、
「この金額は下(原価)から少ししか掛けてませんが・・・。」
と、言われましたので、
「ちょっと待った!売値を下から掛けたらおかしいだろ。利益率って言葉を知っているか?」
「はぁ。」
「利益率=利益/売値x100%だろ。仮に下から2割掛けた場合=利益率は16.7%、3割掛けた場合=利益率は22.3%。意外に儲かっていない。」
「はぁ。」
「本来はいくら売ったら、これくらいの利益があると思うための利益率だから、より正確に求めるために売値は上(売値)から掛けるものだ。」
「はぁ。」
でも展示会で営業マンに
「この商品は利益がどれくらい欲しいですか?」
と、聞かれて
「売値の○割くらい欲しい。」
と言うと
「どうやって計算するの?」(例えば売値の2割の場合は、売値=原価÷0.8です。)
って聞く、小学生並の営業マンがいる。
同じことを住宅会社に当てはめると、業界では個人の建築業は利益が1割、地域の工務店が2割、
ハウスメーカーは3〜4割なんて言われる方がいますが、
利益率が4割って言うことは、下から掛けるとすると原価x1.67になります。これはほとんどボッタクリのようにも見受けられますが、
問題はどこまでが原価かと言った”原価の範囲”です。
税務上では、原価はあくまでも仕入のみです。
ですから、経費は含まれません。
外注さんの材料代を含む工賃も税務上は「外注工賃」という経費ですから、原価には含まれません。
経営者の手間代は利益ですから、いくら経営者である親方が大工手間を掛けてもこれは利益ですから原価ではありません。
ですから税務上では個人の大工さんは一軒の住宅を請けると、ものすごい利益率になります。
利益率が高いとボッタクリと思われがちですが、現実は違います。
ある時、ホイストの工事屋さんが倒産しました。
でも、そこで負債を抱えたホイスト屋の件で日立の営業マンが
「倒産したホイスト屋、倒産したのに利益率が70%ってどういうこと?」
と、聞いてきましたので、
「そのホイスト屋、ほとんど外注を使っていませんでしたか?」
「そうです。ほとんど外注ですね。」
「外注工賃は原価ではなくて経費の部類に入りますので、利益率が70%くらいなんて普通です。」
「そうなのかなぁ?」
こんな感じですから、税務上の利益率はあまり参考にならないと言うことが結論です。
続きは明日。
963614