PVアクセスランキング にほんブログ村

適正利益その2

先週の親方の逝去のため、途中になっているお話の続きを書き込みます。


今度は大工さんよく言われる利益の言い方ですが、請負大工さんはよく
「俺は全く利益を取っていない。」
と言われる方が見えます。
これは確かに一理ありますが、税務上こんなことはまずありえないでしょう。(本当のボランティアなら別ですが・・・。)
こういった言われ方をする大工さんは木材も外注さんも掛け値なしでお施主様に請求し、
お手伝いの大工さんの人件費も掛け値をしないで、自らの人工(にんく)も通常どおりの賃金のみで請求するという意味だと思いますが、
まず税務上自分の人工(にんく)は100%利益です。
木材は仕入れになりますが、キッチンなどの設備機器は工賃込みの場合、全額外注工賃のため仕入にはなりません。
(明細が工賃の設備代が区分けしてある場合を除きます。)
左官工事や屋根工事・電気工事・板金工事なども同様人件費込みの場合、全額外注工賃になります。
ですから、税務署から見れば、このような工事現場の利益率は50%は軽く超えるでしょう。
でも、利益率50%以上あるからって、決して儲かっているとは言えないでしょう。
ですから、このような場合は利益率とは言わず、正しくは純利益率と言います。
※純利益率=(売上ー仕入ー経費)/売上x100%
これなら問題ないでしょう。
でも、まとまった仕事が多い場合は良いですが、1日前後で終わってしまう現場工事が多いと打ち合わせや集金手間のウエイトが大きく、
下請け依存率が低いので純利益率は高くても、実際に人工(にんく)が稼げる日数がいくらもないため、
1ヶ月の利益がかなり少なくなってしまうでしょう。
そのため、小口の請負仕事は打ち合わせ手間が見合う利益設定にしないと、大工さんの奥様の目つきが変わってくると思います。
くれぐれも小口の仕事を依頼されるお施主様にお願いです。
ほとんど自分の人工(にんく)しか頂いていない大工さんに人並みの生活が出来るだけのことを考えた上で、
仕事のお願いをして欲しいと思います。
昔は常庸(じょうよう)仕事でしたから、細かい図面も書かずに、お施主様と大工さんが確認事項を下打ち合わせしただけで、
一日仕事をすると一人工(いちにんく)頂く請け方(正しくは請けているわけではなく、ただの日雇い)でしたから・・・。
それではまた。
976323