先日親方の元から独立した若い大工さんが来店された。
大工さんの世界に足を踏みこんだ時は、すでに父親になっていたので、若いと言ってもそこそこの年齢である。
親方の元では、大半直営工事でオール手刻みである。
加工と刻みは作業場にいるから、作業場があることが普通に思われている。
でも、現実は借金で中古住宅を買って、一所懸命働いている身である。
好きな直営工事や手刻みがしたいようであるが、それは遠い話。
前から話されていたが
「作業場が欲しい。」
現在、作業場とかろうじて言えるか言えないかと言う程度のものを間借りしている。
道具や材料を置いたら仕事ができないくらい狭い。
このブログにコメントを頂いている方も同様のことが書きこまれているが
作業場を道楽で持つのであれば、趣味の範囲で所持すればよいが、
借りるにしても買うにしても、1か月に5〜10万円は掛かる。
業務で使うならば、元を取らなければいけない。
今回の大工さんは現在手間請けのみのため、身分相応とは言えないので、
「直営の工事が頂けるようになってから考えたほうがいい。」
と否定意見を述べさせていただいた。
仕事がら、大工さんの作業場には毎日のように伺っている。
作業場としての活用だけでなく、道具置き場や木材倉庫も兼ねている。
イベントの場所としても活用されている方もいる。
作業場である以上、木材と道具と機械が揃っていることがベストである。
また、一人親方に限り、仕事をして、片づけないでそのまま現場に入って、
間が開いたときに片づける便利な場所である。
あまりいい話ではないが、「作業場があると、時間外でも仕事ができる。」と言われる方も見えます。
但し、これは非住宅地限定である。
時間外の作業は、たとえ1時間であっても、日中作業場で仕事をするよりも効率がいいはずである。
個人の大工さんの場合は作業場は時間外活用しないと、元が取れないかもしれない。
これから作業場を持とうと思って見える大工さんには、そのくらいの覚悟は思ってほしい。