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解答無き問題(インパクトドライバー編)

マキタのブラシレスタイプのインパクトドライバーが発売されて数週間が経ちました。

この形式のモデルは各社とも
・全長の短さ
・トルクの大きさ
この二つが売れるキーワードのようで、他社と鎬を削っています。
確かに狭いところで使うために短くすることは良いことです。
パワフルな作業に対応できることも現場が必要としています。
しかし、これに伴いデメリットがあるにも関わらず、そのあたりを放置されているような気もします。


先日、マキタの支店長が来店されました。
その来店時に
「今回のインパクトドライバーは如何ですか?」
まだ入荷したばかりで現場からのご意見は頂いておりませんが、いつもながら辛口回答で
「この二つ前の機種であるTD148を修理で使っていますが、正直使いにくいです。」
同伴されていた所長も同感された。
今のインパクトドライバーはトルクが強すぎるために四角穴のビット作業や
六角ボルトの作業には適していますが、造作作業の+ネジには使いにくい。
カムアウトしやすいし、+も舐めやすい。
トルクが上がれば、それに応じてインパクトドライバーを押さえつける荷重も必要になる。
いつもかたさんさまの言われているハンドルをビットセンターに持ってこないと使いづらい状態である。
(いわゆるスイッチトリガ中指or薬指である)
いくら押さえようと思っても軒先や組み立て中の枠など、押さえたくても押さえられないところもある。
この場合、解消法は簡単。
一世代前のインパクトドライバに変えれば済むことである。
全長の短い点についても同様で造作工事に入ると通称「縫い付け」作業に使うケースが多く
短いインパクトドライバーはハンマーケースが大きくハウジングの頬部分が部材に当たってしまうために
せっかくの短いインパクトも長いビットを付けないと使えない。
一世代前のインパクトはハンマー径が小さいので短いビットでも縫い付けができた。


こんなことを踏まえて支店長に
「同じバッテリ同じ充電器で造作用に特化したインパクトドライバーを作れないか?」
「今の強弱切り替えではダメなんですか?」
「強弱切り替えはモーターのパワーを変えているだけでハンマートルクは変わっていないからダメです。」
現在、唯一高トルクと低トルクの使いわけができるインパクトはオイルパルスだけ。
しかし、それが売り手側に理解されていないので、現場には説明できない。
また現場も使用者は体では分かっていても言葉にして伝えづらい。
オイルパルス方式は遠心力と回転力で外周のコアを回すために、
回りやすいネジは早く回し回りにくいネジは遅く回る。そのためにボルトは締まらない。
また超スロー回転にするとほとんどコアを叩かないので小さな木ネジもチョロチョロ締めることができる。
ただ、このコントロールには通常のインパクトドライバーとは勝手が違うのでコツが必要である。


たらたらといつものように蘊蓄を並べて申し訳ございませんが
今のインパクトドライバーのご意見を頂きたく、今回の問題とさせていただきます。
これから、電動工具メーカーが間違った方向に行かないように現場の声を記しておきたく
皆様方にご協力のお願いを申し上げます。