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小山金属

小山金属という会社を知っていますか?
兵庫県で鉋(かんな)や鑿(のみ)を作っている会社なんですが、鑿の生産は日本で一番多いそうです。
リフォーム用のチップソーで”アイウッド”ブランドも播磨王や集成材のみも小山金属のブランドです。
播磨王以外にも差込式の替刃のみが出回っていますが、私の知っている限りすべて小山金属製です。
他の名前は問屋や販売店が独自の名前で小山金属に作って頂いて販売しているだけのようです。
10年位前、問屋の見本市で小山金属の社長さんに、
「この鉋や鑿にあなたの好きな名前を入れて販売しませんか。12丁で名入代サービスします。」
と言われましたが、そんなに売れるような商品ですからお断りしました。
その時狂わない台の鉋が置いてありました。
その鉋は、替刃式で白樫の台を煮えた樹脂の中に入れて鉋台を気密状態にして、多湿高温や乾燥状態になっても台が狂わない鉋なんです。
また、表面に樹脂が染み込んでいるため、磨耗もかなり少ない鉋なんです。
その代わり鉋台が樹脂を含んでいる分ちょっと重いのが欠点です。
これも12丁で名入れサービスしてくれると言われた時に、その1年くらい前にあったことを思い出しました。

それは、別の問屋さんの見本市でした。
○○製作所というメーカーのブース(社名はあえて伏せておきます。)の前に行ったら、後で見た小山金属と同じ鉋が山積みされていまして、
調子の良さそうな年配のバイヤー(売り子)が、
「この鉋はいいですよ〜」
「何がいいんですか?」
「台に樹脂が中まで埋めてあって、絶対に狂いません。」
「本当?」
「これは煮えた樹脂の中で台を煮て、中の中まで樹脂が入っているので、絶対に湿気で狂ったりすることがないんです。」
「でも中心まで樹脂を入れるなんて不可能ですよ。」
「いや、実はちゃんと中心まで入っているんです。」
「じゃあ、これ買いますのでこの場で、この鉋の台を切っていいですか?」
「ここにそんなもの置いてないから切れないです。」
でも、ここは道具の見本市会場です。周りのブースには鋸のサンプルがいっぱいあります。
「隣のブースで鋸のサンプル借りてきます。ちゃんと一つ買いますから切っていいですか。」
「これは見本だから切られるとちょっと・・・・」
「でもそこに鉋が山積みされているじゃないですか。一つ売ってください。」
「いやぁ・・・あれはみんな空箱だから・・・・」
ということがありました。

どうもあるバイヤー仲間のにおいがしたので、違うブースのバイヤーに聞いたら、
「あの人は元同僚、社名は○○製作所って言ってるけど、一人でやってるだけの人だよ。」
とのこと。
この業界にも色々な人がいるな〜と思いました。
でも、あの鉋の台、切ったら中がどうなっているか?いまだに謎です。
とりあえず中まで樹脂が入っていないほうに一票!
それではまた。
150231