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考察(一気に打つと抜けやすい釘)

本日、倉庫を歩いていると
ふと思ったことがあった。
以前も書いたことがあると思いますが、昔から大工の棟梁が
「釘を一気に打つな!コツコツ打たんと抜けやすい!」
と、職人さんや見習い大工さんが言っていました。
この件について、特に理由付けはありませんが、結果として抜けやすいことは
大抵の方は認めておられました。
最近は、ほぼ釘打機オンリーなので、このことについて誰も触れなくなりました。
前は、一気に打つと木の繊維を切断しやすく、ゆっくり打つと木の繊維を切断する前に
釘の先端が軟らかい方に避けるために木の切断がなく、木の繊維の戻ろうとする力が強くなり
釘がより強く挟まれて抜けにくいと言うことでしたが
実際に乾燥した木に釘を手で打ってみると
1.木口から木の繊維方向に打つと釘は軽くまっすぐに入る。
2.板目で打った場合、冬目に当たらないように打つとほぼ真っすぐに入る。
3.板目で冬目に対して垂直に打っても真っすぐに入るが上記よりも抜けにくそうである。
4,板目で冬目に対して斜めに打つと釘先が年輪を避ける方向に傾く。
釘打ち作業の大半は4のケースが多いと思います。
プロの職人さんは理屈ではなく経験と言う財産の上でお仕事をされているためか
このような話をされる方は聞いたことがありませんが、この話をすると当然と言われます。
(それだけ私がド素人と言うことですが)
年輪が斜めなのに釘をまっすぐ売ったら釘は倒れますが
プロの職人さんは経験と言う財産を体が覚えているのか
瞬時に釘をどう打ったら真っすぐに打てるのか分かるようです。
ただ、この時に釘先が冬目を通過する際、釘が方向を修正するために微妙に曲がるように思えます。
曲がった釘はその曲がった状態を保持しながら微妙に円の弧を描くように入ると思います。
これが釘打機で打った場合、手打ちほどの効果が少ないのではないかと予測します。
もちろん釘の太さが同じでなければ土俵が違いますので何とも言えませんが
以前から、カラーN釘の方が打ちやすく抜けやすいと言われます。
この件もカラーN釘の方がリサイクルの鉄を使っているから硬く曲がりにくいからとも言われていますが
先日N75の釘をカラーと無地で同じ耐力を掛けて曲げてみましたが強度は変わりませんでした。
すると塗装で違いが出るのか?
塗料が潤滑油の役目をして入りやすく抜けやすい状況を作っているかもしれません。
もっとも、塗料も潤滑油も同じ油系の有機物ですから・・・。