大昔から職人さんの道具代は俗に「ツケ」と言われる信用貸しである。
「どうしたらツケができるの?」
と言われることがるが、未だに即答できない。
30年以上前の大工さんなら駆け出し当初は目立て代がほとんどであるし
踏み倒されても元手が掛かっていないので、何とかなった。
だから簡単にツケを作ったが
今は人件費を引くと利益の出ない電動工具やエア工具が多いので
いくら販売しても経費も出ないのでツケは簡単に起こせない。
「だったら何で売るの?」
と言われるかもしれないが、売らなかったら他の商品も売れないし
修理も来なくなって首を吊るしかないでしょ!
実は昨日、ある職人さんから
「若い衆にツケで売ってやってくれ。」
と依頼されたので、即答できず
「どうしたらツケで売ってくれる。」
「大工さんがツケを作った時は目立て代がほとんどだったし、それ以前に親方から『ツケで売ってやってくれ。』と依頼されたんで、今から若い衆の親方に了解を取ります。」
親方に電話すると「そんな道具買わんでもウチにあるがや。」と言いながらも
「自分専用が欲しいようですから。」と言うと
「分かった。ツケで売ってやってくれ。」
信用貸しと言うのは買い手の信用度が重要です。
若い子には実績がありませんが期待度はあります。
「俺が信用できんのか!」と言ったら信用を無くします。
信用できるかできないかは人が決める事。
自分も人様に信用されるように精進していきたいと思います。