「これは絶対送り不良にはなりません!」
と言いたくなるようなベルト駆動式の自動鉋盤ですが
そんな機械の送り不良の修理依頼がありました。
何度かこのブログに登場しているものですが、非常に調整が厄介な機種。
上の画像の奥を見て頂くと分かると思いますが、
蓋を開けるために加工厚を8寸まで上げないと奥のダクトがベルトに当たる。
本来ならこのように角材を2本削ったものをもう一度そのまま通して停止させ
止めた角材の高さを基本に合わせるんですがそれができないので
今回は特別にダクトを外して行いました。
調整するのは
この後ろローラーの高さを刃物より1mm上げて
プレッシャーバーをほぼ刃物の高さにし
前ローラーを刃物高さよりも1mmほど下げるんですが
今回はそれでも直りません。
4分板を削ると先頭か3寸くらいのところまで厚みが薄い。
原因は、ローラーの押さえすぎではないかと思われるのでローラーを1mmの半分くらいにしますが、それでも改善しないのでさらに半分にすると少し改善。
さらにプレッシャーバーを微妙に下げてチップブレーカー(刃と前ローラーの間の「鍵盤」と呼ばれる部分)も下げます。
これで何とか合格を頂きましたが朝一から行って正午まで掛かりました。
今回の原因は4分板のような薄い材料が原因。
ベルト駆動式は下ローラーがないので真っすぐ送るようで実はそうではない。
ローラーが上から薄材を押さえるとベルトが潰れるため
その前後が跳ね上がってしまい、それを刃物が削ることにより
その部分が薄くなる。
対策はできるだけ押さえつけないこと。
途中、この件でメーカーであるシンクスの修理係に聞いたんですが
「最近、自動鉋を触った記憶がないので分かりません。」
そう言えばシンクスの自動鉋はこの機種だけだった。