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先週の解答(100Vインパクトドライバー)

先週の解答をいたします。
先週の問題は
現在の100Vインパクトドライバーはどうしてモーターの耐久性が落ちたのでしょうか?
でした。早速takaさまから「DCモーターだから」と言う正解を頂きました。
知っている方の結構見えますが、一番最初に発売された100Vインパクトドライバーである日立のWH10VAはマブチのDC50Vモーターを使用していました。
(どうして50Vか?それは、変速スイッチを本来の全波可変ではなく、半波可変で回し交流100Vの半分使用のためです。)
このモーターは12Vインパクトクラス程度のモーターだったため、12Vインパクト並の耐久性しかございませんでした。
しかし、100V インパクトドライバーは、充電式と違い、電池切れが起きないので休みなくずーっと使い続けてしまいます。
前にも書き込みましたが、100Vの電動工具は定格が30分です。連続30分以上使ったり、1時間中30分以上使う過酷な使用は考えておりません。
そのため、カーボンブラシの消耗が激しく、早い方で半年くらいしか持ちませんでした。
そのため、後続機にWH10VA2という、カーボンの使用長さを3倍にしたブラシキャップが飛び出たタイプに変更しました。
ちょうど、そのころマキタは純100Vモーターが入ったインパクトドライバーを発売しましたが、
正逆切り替えが左手でないと切り替えできない位置に付いていましたのでそれが不評で、
すぐにリョービが現在の右手親指と人差し指で切り替えられる純100Vモーターのインパクトドライバーを発売し、
それを結構販売させていただきました。純100Vに代わってからは、モーターのトラブルはずいぶん減りました。
時は過ぎ、今から10年位前にマキタから6954と言うインパクトドライバーが発売されました。
実はこのモーターはDCモーターだったんです。
どうしてDCモーターにしたか?
理由は、マキタの岡崎工場で今まで100Vのアマチュア(回転コイル)とフィールド(外側のコイル)以外の部品の製造は一切していなかったんですが、
充電工具の軽量化や全長縮小のため、またコストダウンのためにDCモーターケースなしのDCモーターを自社で製造に踏み切りました。
電動工具の製造を始めてから、創業から自社生産のアマチュア・フィールド以外の量産部品を作るのは初めてではないでしょうか?)
そのついでに100Vインパクトも軽量化・サイズ縮小のためにDCモーターを使用したと聞いて降ります。
しかし、DCモーターも従来のモーター同様エネルギー変換効率が50%程度です。
ACモーターは運動エネルギーにならなかった分が熱エナルギーとなってコイルから放熱されますが、
DCモーターは回転コイルしかありません。外側は永久磁石で電気が流れていません。
同じ仕事をした場合、同じ熱を発生しますが、タダでさえACモーターより小さい回転コイルがフィールドの分まで、熱を放出するとなると、
当然モーターの温度上昇が大きくなり、結果としてモーターが熱で不調になりやすかったり、最悪モーターが焼けたりします。
さらに、どうゆうわけか、日立・リョービまでが、軽量化・サイズ縮小化のためにDCモーターを採用しました。
長くなりましたが、これが現在の100Vインパクトドライバーの現状です。
充電式のインパクトドライバーほど売れ行きの回転率がよくないためにあまり新型を真剣に考えていないようです。
コード式でも、もっと使いやすく耐久性のあるインパクトドライバーの開発に期待しております。


追伸:昨晩azzun2009さまからすばらしい回答を頂きました。
記事を書き終わった後でしたので、今回の記事にazzun2009さまの内容が載せてなくて申し訳ございませんでした。
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