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無くならないインチネジ

インチネジとは、以前まで使われていたスパナが21の六角である通称4分ネジなどの規格のことである。
インチネジはJIS規格でもISO規格でもないためにお役人さんが使えません。
Zボルトの規格に主流だったW1/2(ウイット2分の1=通称4分)が使えず仕方なくM12に変わった。
W1/2の方が外径が太く、ネジ山が深いので、強度が高いと思いますが、公的なものにはJISでないと使えません。
ただ建築の基準ではZの金物はあくまでも一例であって、「同等またはそれ以上」と併記されているので、
W1/2でも問題ない模様。
しかし金物の基準は公的な問題だけでなく、元請けが仕事をいただくためにお施主様に
「これだけの基準で行っています。」
と謳ったものは、従わなければならない。
同様に工事用に出回っているズンギリ(全ねじ)は、ほとんどが3分(W3/8)なのでインチネジの方が入手しやすく価格も安い。
ところで3分ネジはW3/8と表記しますが4分は分母を8にするとW1/2だからW4/8、
2分も同様でW1/4だからW2/8、2分半はW5/16だからW2.5/8と表記できる。
だから通称寸法を呼ぶときに、
「分母を8にしたときの分子を表す。」
と、換算方法を伝えれているが、これが語源ではないことは建築業界の方なら分かると思いますが、
知恵袋の回答では自信を持って
「分母を8にしたときの分子を表すから単位が”分”になる。」
と答えられる方が多いようですが、単位が”分”なのは「8分の1」と言うように分母の8である。
たまたま、偶然1インチ(=25.4mm)の1/8が、およそ1分(およそ3mm)だっただけのことであり、
建築業界以外では、かつての尺貫法が全く通じない。


自分がこの業界に入ったころは親の年代にミリやセンチで話をすると
「寸で言わないと分からん!」
と怒られていた。
でも、当時の自分は寸が分からない。
寸で言われるたびにキレていたが(表には出しませんが)やがて慣れてくると、両方をチャンポンで使うようになった。
尺や寸で呼んだ方が便利な時は尺や寸で呼び、メートル単位が便利な時はメートルと言うように使い分けている。


和裁では使い勝手の良い1尺が6割大きい鯨尺を使っているようですが、
日本建築も戦後一度無くなりかけて、条件付きで復活した尺貫法を絶やさないでほしいと思います。